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[ ブランド戦略 ]

リブランディングの意味や目的と開発事例

リブランディングとは何か?リブランディングの意味や目的、もたらされる効果、注目される理由といった観点から、詳しく掘り下げて考察していきたいと思います。リブランディングとは、かつて隆盛を誇ったブランドを新しく時流に合うように改善・再生・再構築し、魅力やアピール力を蘇らせることです。リブランディングが必要なケースは、企業のブランド戦略と、市場(消費者)との間でミスマッチがおこっている場合です。そこで、ブランドの方向性を修正し、再活性化させることが「リブランディング」なのです。単純にパッケージデザインやロゴマークのデザインを新しくすればいいというものではありません成功のためには、適切な手順、正しい方法の実践が大切なのです。


■ リブランディングの意味と目的とは何か?

[ ブランド価値の向上 ]

リブランディングにより、企業や製品、サービスのブランドイメージを向上させることで、
ブランド価値を高めることができます。
ブランド価値が向上すれば、消費者の認知度や信頼度が高まり、
企業や製品、サービスの競争力が強化されます。

[ ターゲット層の拡大 ]

リブランディングにより、ターゲット層を広げることができます。
ブランドイメージが現代的で魅力的になれば、新しい顧客層を獲得することができます。

[ ブランドの差別化 ]

競合他社との差別化ができるブランドイメージを構築することができます。
リブランディングによって、企業や製品、サービスの個性や特徴を表現し、
ブランドの強みをアピールすることができます。

[ ブランドロイヤルティの向上 ]

リブランディングにより、既存の顧客のブランドロイヤルティを高めることができます。
改善されたブランドイメージによって、顧客は企業や製品、サービスに対する信頼度が高まり、
長期的な顧客関係を築くことができます。

[ 要素の統合]

リブランディングにより、企業や製品、サービスのブランドイメージを一元化することができます。
これにより、消費者がブランドの特徴や価値観を正しく理解しやすくなり、
ブランドアイデンティティの強化につながります。

以上のように、リブランディングは、企業や製品、サービスのブランドイメージを改善し、ブランドの価値を高めるために行われます。

■ リブランディングにおける5つ目的

長い歴史の中で培ってきたサービスや技術、ノウハウ、クリエイティブはブランドの大切な資産です。一方、時代の変化が著しい現在では、どんなに素晴らしい資産でもただ伝えるだけでは鮮度が失われていきます。適切な方法で、効率的に、最大限のブランドエクスペリエンスを実現することが必要不可欠なのです。

商品やサービスの改善と変更
リポジショニングの検討
消費者へのアプローチの改善
ターゲット層の変更
企業文化や風土の改善

■ リブランディングが必要なタイミングとは?

リブランディングとは、「ブランドの伝統は継承しながら、時代の変化に順応し革新を行うこと」に他なりません。それゆえに、リブランディングを着手するにあたっては、まず現在のブランドが置かれている状況や問題点を徹底的に洗い出すことが不可欠です。自社ブランドのポジショニングや、強みと弱み、ライバルの立ち位置や差別化できるポイントなど、様々な事柄を吟味し検証した上で、ブランド再生プランを構築していくことが重要なのです。前述した通り、新しいパッケージデザインやロゴマークのデザインというのは、その再生プランの一部です。単純にパッケージやロゴデザインの見た目だけを変えれば成功するものではないということをしっかり踏まえてください。

● 市場調査の結果、ブランドイメージの変更が効果的だと判断できる。
● ブランドに対する誤解や勘違いが浸透してしまっている。
● 予想していたターゲット層に対して効果的なアプローチが実現していない。
● ライバルの多い業化で他社よりも強いインパクトで目立ちたい。
● これまでとは違った新しい分野・市場に参入する。
● これまでと同じ分野や市場において新商品や新サービスを展開する。
● ブランディング低下による改善や再生を図り、その変化を多くの人に伝えたい。
● ビジネス規模の拡大によって品質向上や高いレベルでの競争が予測される。
● 将来の方向性や理想を示して消費者からの期待を高めたい。

■ リブランディングでブランドを再構築し成功へ導く

ポジショニングの概念図(現在と未来)

1つのブランドのイメージで長年続けていたにもかかわらず、顧客からの反応がいまいちで事業がうまくいかない場合もあります。しかし、意味がなかったと落胆する必要はありません。ブランディングの問題を改善していくことで、劇的に仕事を成功に繋げられるからです。リブランディングを行なって、今まで気づかなかったポイントを見直し仕事を成功させていきましょう。仕事の再構築を行うきっかけにつながります。そんなリブランディグを成功させる秘訣とは、どういったものなのでしょうか。

■リブラディングを成功させる方法

① 妥協せず続ける

リブランディングを行うのは、簡単なことではありません。
既にお客様から持たれているイメージや社風をも変えなければいけないからです。
妥協せずに意志決定したことを続けていけば、リブランディングは成功していくでしょう。
「これをする意味ありますか?」「もっと無難な方法を取りませんか?」など、
意見される場合もあるかもしれません。
しかし、リブランディングには妥協は許されないのです。
それだけ、ブランドのイメージを変えるのは大変だといえます。

② 問題点の見直し

リブランディングする際は、それまでのサービスと、世の中でヒットしている商品やサービス、
自らの抱える問題点や欠陥を洗いなおし客観的かつ冷静に見つめ直すことが成功には大切です。
無駄な箇所をブラッシュアップしていく意味にもつながっていきます。
サイトの構成は良かったか、ブランドのイメージは流行のものを取り入れられていたかなど、
たくさんの気づきを取り入れるチャンスにもなり、成功へと繋がります。

③ 客観的な視点

見込み客へのアプローチの方法から事業主としてのマインドなど
、様々な個所をより良くするのも立派なリブランディングの意味の1つであり、
成功へのカギといえます。なかなか自分では気づけないケースも多いものです。
客観的に身近なサービスを行っている人々、友人や業界のプロに質問することも成功のためには有効です。
あえて関連性のない、新しい分野の起業家の人々と触れ合うチャンスや、
メディアで取り上げられているサービスを参考にして、自らの仕事に生かすことにも意味があります。

④ 効果が無いプロモーションを見直す

WEBやパッケージデザインをがらりと変えたのに売れないなど、
リブランディングしても効果のないときがあります。
そういった場合は、商品そのものが長期的な視野でうけているものであることや、
ブランディングや魅力そのものにおいては全く問題のないものであることが多いものです。
優れた商品だからといって何もせずに売れるはずはありません。
そういう場面においては、売り込んでいくプロモーションに注目した見直しが必要となってきます。
その結果が成功へと繋がれば、「リブランディングに意味があった」といえるようになります。
リブランディングはあまりにも何度もやりすぎてしまうと、
意味が薄まってしまい顧客や関連する企業の人々の中では契約を結びづらい部分もあります。
思い切ったイメージチェンジや、見えない部分での変化はあったほうが望ましいですが、
失敗してしまっては意味がありません。
大筋のテーマであるなどの部分においてはなるべくよほどの欠陥がない場合は、
良い部分は変えないほうが安全であるといえます。
タイミングも成功するには、大切な要素です。

■ リブランディングの開発事例

出典:「メニコンHP」より

Menicon|メニコンのリブランディング展開事例

株式会社メニコンは、2016年11月22日より、商品パッケージやホームページなどリブランディングを行い、NEWメニコンブランドを展開いたします。メニコンは、日本で初めて角膜コンタクトレンズを開発して以来、「より良い視力の提供を通じて広く社会に貢献する」を企業スローガンに、コンタクトレンズのパイオニア企業として業界をリードしてまいりました。2016年に創業65周年をむかえたメニコンは、唯一のコンタクトレンズ総合メーカーとして、コンタクトレンズ、ケア用品とサービス(定額制コンタクトレンズメルスプラン)の全てのイメージを統合させ、ブランドコンセプトを「日本」「輝き」「瞳」として新たなブランドづくりを行いより魅力的なNEWメニコンを展開してまいります。

リブランディングにおけるデザイン変更内容

● ブランドロゴ(シンボル)
● ブランドロゴ(ロゴタイプ)
● ブランドロゴ(サービスアイコン)
● サブグラフィックス
● ブランドコミュニケーションデザイン(全般)

メニコンのDNAであるイノベーションとフロンティアスピリットを、「日本」「輝き」「瞳」を表現する円をモチーフにしたブランドごとのアイコンと、新しい時代に合わせたカラーリングによるブランドのデザインコミュニケーション展開。

Elleair|エリエールのリブランディング展開事例

エリエールは2015年8月にブランドロゴをリニューアルし、生まれ変わりました。エリエールは誕生以来、一貫して品質にこだわり続け、お使いいただく皆さまに商品を通して「やさしさ」を届けることを追求してきました。ロゴデザインの変更により、これまで培ってきた「やさしく触れていいですか。」というブランドスローガンを継承し、世界中の生活者の皆さまに、より信頼され、より愛されるブランドへとエリエールを進化させていくことを目指しています。新ロゴデザインは、日本を代表するグラフィックデザイナーである佐藤卓氏がデザイン開発を担当。

リブランディングにおけるデザイン変更内容

● ブランドロゴ(シンボル)
● ブランドロゴ(カタカナロゴタイプ)
● ブランドロゴ(英文ロゴタイプ)
● ブランドスローガン(メッセージ)
● ブランドムービー(動画)

「エリエール」はフランス語で女性を意味する“elle”と風を意味する“air”を組み合わせた「風の妖精」を意味する造語です。「風の妖精が生み出すやさしい風のように人々の生活に寄り添う商品を多くの方に届けたい」という想いが、このブランド名に込められています。

■ 進化を続けるAppleのブランディング

出典:「アップルコンピュターHP」より

アップルには、パソコンはMac、携帯はiPhone、音楽はiPodと、Apple製品しか買わない熱狂的信者が多数存在します。これは、単に製品のデザインや機能・性能が良いといった事ではなく、非常に良く考え抜かれたブランディングの成果なのです。

製品をシンプルに分かりやすく

アップルは使い方が分かりやすく、シンプルなデザインである製品を徹底的にこだわっています。どのようなデザイン・どのような使用手順にすれば、消費者がより簡単に分かりやすく製品を利用できるかを、綿密にリサーチ・企画・制作していくことで、結果として高い顧客満足度を生み出す「シンプルな製品」を世に送りだしているのです。また、アップルは、全ての製品に対して、デザイン・操作性に一貫性を持たせています。そのため、どれか一つの製品の操作性に慣れてしまえば、その他のアップル製品でも違和感なく、使いこなせるようにできています。こうすることで、アップルの新しい製品にも適応しやすくなり、反復して購入しやすくなるという仕組みが成り立ちます。

デザイン性の高い製品にこだわる

アップル製品は、いずれもパッケージから入念にデザインされており、それはユーザーインターフェースにまで至ります。シンプルな色やアイコン、なめらかな外装などはそれらを操作したり見たりする度に、アップル製品を使っている顧客を魅了します。また、アップル製品を使っているユーザーは、独自のプライドを持っていていて、Macを使う人はスマートで洗練されており、かっこいい人であるというイメージが根付きました。一方で、Windowsユーザーは、「ださくて、つまらなくて、古い」といったようなイメージが、アメリカを中心に、広く浸透していきました。このように利用者のエモーショナルな部分まで含めてアップルのブランドイメージは確固たるモノとなっているのです。

専門の販売店「アップルストア」の存在

アップル製品のブランドデザインと一貫したアップルストアの外観。街を歩いていても、「アップルストア」を見かけたら、それがすぐにアップルの販売店であることを認識でき、店内に入ることで、電気量販店にはない「上質なユーザー体験」を感じることができます。アップルはこれまで、商品知識の不十分な電気量販店の店員に対して、自社製品の魅力を十分に顧客に伝えることができていないと、不満を抱いていました。これを解決するために「アップルストア」が誕生したのです。アップルストアでは、店舗デザインから空間演出、接客員の質まで、徹底的にこだわっており、訪れた客に対して、「よりよい体験をしてもらおう」と心がけているわけです。これも、アップルブランドのイメージに寄与している1つの要因になっているのです。

■ まとめ

リブランディングを意味あるものにし成功するには、的確な欠点と長所のポイントを見つめていく必要があります。リブランディングの本来の意味は再構築のための全ての行動です。しかし、すべてのテーマを変えたりするのではなく、いかにして変更をして、良い部分を伸ばすのかを決めるのは成功のためにはとても重要です。周囲の様々な意見を取り入れて成功へとつなげて、リブランディングを意味あるものにすることが大切なのです。

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