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    ブランドブックに必要な役割と目的とは?[ ブランディング開発論/手法 ]

    ブランドブックとは、ブランドのコンセプトやビジョンを社内(社員)に理解・浸透させることを目的として制作し配布する小冊子のことです。社内ポスターや社員向けブランド研修と共にインナーブランディング活動においてとても重要な役割を果たすアイテムなのです。今回は、このブランドブックに必要な役割と目的について書かせていただきます。

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    ブランドブックの目的と役割の変化

    ブランドブックとは、社員(社内)に向けてブランドのコンセプトやビジョンを正しく理解させ浸透させることが主な目的と役割でした。しかし、インナーブランディング活動が社員の意識や啓蒙だけを目的とした活動から、日常業務の中でのブランド価値向上への貢献活動へと進化して行きました。そのため単なる理解・浸透のためだけのツールの役割から、業務活動のためのツールへと目的が変化しています。

    ブランドブックに必要な構成要素

    ブランドブックに必要な基本的な構成内容は、ブランドが提供するブランド価値を定義する「ビジョン」「ミッション」「バリュー」や「ブランドコンセプト」「ブランドメッセージ」と、ブランドのデザイン要素である「シンボル」や「ロゴ」のデザインに込められた意味などが中心です。しかし最近では、インナーブランディング活動の目的の拡大によって、必要なコンテンツもブランドの価値を実現するための各部署や社員自身がどんな目標を持ち、どう行動すべきかを示す行動指針やクレド的な要素が強く求められるようになってきています。

    1. ビジョン(志・夢・目的)
    2. ミッション(志・夢・目的の実現に向けて実施すべき事)
    3. バリュー(お客様に提供する機能的・情緒的価値)
    4. ブランドコンセプト(ブランドの考え方)
    5. ブランドメッセージ(ブランドが発信する言葉)
    6. シンボルやロゴデザインの意味

     nike 

    (出典:Halloween)

    ブランドブックの浸透に必要な講習会・研修・ワークショップ

    「わかりやすいブランドブックを作ったから、読んでくれるに違いない」と思いがちですが、そんなに甘くありません。例えば、「活字離れ」は企業の中でも相当深刻な問題です。ただ配布しただけでは「イラストや写真、図の部分位は、ざっと目を通してくれた」程度に考えるべきです。そこで必要になってくるのがブランド浸透のための社内での講習会や研修・ワークショップの開催です。企業の中で実施するとすれば、人事部などが主催する研修が思い浮かぶと思います。しかし、それ以外にもブランドのワークショップの機会は、いろいろな形で実現できます。実施しやすいブランド講習の形式は企業ごとの形態で異なります。本社や工場などの多くの人がまとまって働く職場でしたら、定期的に全員を集めた会議や朝礼の様な機会を利用することが可能です。しかし、支店や出張所など遠隔地で人数も少ない職場だと、ブランド担当者がすべての拠点に出向いて説明するわけにも行かないと思います。その様な場合には、ブランドブックの内容をかみ砕いた解説用の簡易版を定期的に発行するとか、社内のイントラサイトなどに掲載するなどの工夫が必要になります。

    brandbook_system

    ブランドブック制作に必要なポイント

    ブランドブック制作ポイント① シンプルな構成や表現にする

    ブランド体系を複雑な図で説明するもの、似たような語句が大量に並ぶものなど、読み手が考え込んでしまうようなブランドブックも多く存在します。もちろん、企業のブランディング活動は多岐に渡り、多様なステークホルダーがいる中では、最大公約数的なまとめ方になりがちで、結果的に複雑かつ難解な内容になってしまう場合もあります。しかし、ブランドブックは、制作者の自己満足のために作るものではなく、社員が理解・共感し行動につなげるためのきっかけを提供するものとして制作しなければなりません。そして、その先にいる顧客やステークホルダーに、自社のブランド価値を高めてもらうことが目的です。シンプルなメッセージでなければ、ブランドを伝える社員が、そのメッセージをうまく伝えることはできません。「伝える」ことが目的のツールであることを強く意識しなければ、効果的なブランドブックではありません。

    ブランドブック制作ポイント② 単なるルールブックにしない

    ブランドブックの冒頭に「ブランドは顧客やステークホルダーとの約束である」という説明を見ることが多い。しかし、ブランドとは受け手の心の中にできるものであり、企業とステークホルダーとのコミュニケーションによって醸成されるものです。もちろん、いいコミュニケーションを行うためにも、企業側、そしてそれを実行に移す社員がステークホルダーに約束をするという考え方は有効です。しかし、注意しなければいけないことは、社員に「面倒な規則が増えた」と感じさせてしまうことです。ブランドブックを手にした時、「このような姿になりたい」と思わせることができるか、「また、規則が増えた」と思われるか。この差は、非常に大きいのです。約束を“覚える”ことが目的ではなく、約束を“実践する”ことが目的なのです

    ブランドブック制作ポイント③ 横文字(カタカナ)だらけにしない

    スローガンやビジョンなどの様々なメッセージを発信する際に、英語やカタカナを始めとする横文字を利用することが多くあります。もちろん、外資系の企業に見られるように社内での公用語が英語である場合、グローバルに向けた共通のメッセージを使う必要がある場合もあるでしょう。しかし、そのような必要がない場合に、カタカナやアルファベットを乱用することは、受け手の理解を妨げることにもつながります。見栄えがよくカッコ良いなどの理由で、安易に外国語のメッセージを使うケースも少なくありません。重要なのは、その言葉から内容がイメージできることです。社員向けのコミュニケーションの目的は、きれいに見せることだけではなく、理解・共有し行動につなげることなのです。

    まとめ

    ブランドブックの重要な目的と役割は、「ブランドブックの内容を、全ての社員が自分の業務に取り込むこと」です。残念なことに、ブランドブックを制作し配布することが目的化してしまっているケースも多く、このような場合は1ヶ月もすればブランドブックは書類の山に埋もれてしまい読み返されることもありません。社員が企業のブランドを正しく認知・理解し、それを行動に反映させるためには、ただ配布するのではなく講習会やワークショップを同時に開催することも必要です。ブランドブックの役割は、その内容を理解させるところまでです。業務の目的やスタイルが多様である社員の1人1人が、自らの業務にブランドの考え方を反映させるためには、自分で考え、行動し、実感し実践するというプロセスが重要なのです。自社のブランドを知ることは、ブランドを自分の行動や活動に取り込むことなのです。少なくとも、従業員に読まれないブランドブックでは、企業のブランド価値を高めていくことはできません。押し付けるのではなく、共有するという視点を持つことが、成功への第1歩なのです。

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