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    [ ブランディング開発論/手法 ]

    ブランドブックに必要な役割と目的とは?

    ブランドブックとは、ブランドのコンセプトやビジョンを社内(社員)に理解・浸透させることを目的として制作し配布する小冊子のことです。社内ポスターや社員向けブランド研修と共にインナーブランディング活動においてとても重要な役割を果たすアイテムなのです。今回は、このブランドブックに必要な役割と目的についてご説明させていただきます。

    ==================================================

    ブランドブックの目的と役割の変化

    ブランドブックとは、社員(社内)に向けてブランドのコンセプトやビジョンを正しく理解させ浸透させることが主な目的と役割でした。しかし、インナーブランディング活動が社員の意識や啓蒙だけを目的とした活動から、日常業務の中でのブランド価値向上への貢献活動へと進化して行きました。そのため単なる理解・浸透のためだけのツールの役割から、業務活動のためのツールへと目的が変化しています。

    ブランドブックに必要な構成要素

    ブランドブックに必要な基本的な構成内容は、ブランドが提供するブランド価値を定義する「ビジョン」「ミッション」「バリュー」や「ブランドコンセプト」「ブランドメッセージ」と、ブランドのデザイン要素である「シンボル」や「ロゴ」のデザインに込められた意味などが中心です。しかし最近では、インナーブランディング活動の目的の拡大によって、必要なコンテンツもブランドの価値を実現するための各部署や社員自身がどんな目標を持ち、どう行動すべきかを示す行動指針やクレド的な要素が強く求められるようになってきています。

    1. ビジョン(志・夢・目的)
    2. ミッション(志・夢・目的の実現に向けて実施すべき事)
    3. バリュー(お客様に提供する機能的・情緒的価値)
    4. ブランドコンセプト(ブランドの考え方)
    5. ブランドメッセージ(ブランドが発信する言葉)
    6. シンボルやロゴデザインの意味

     nike 

    (出典:Halloween)

    ブランドブックの浸透に必要な講習会・研修・ワークショップ

    「わかりやすいブランドブックを作ったから、読んでくれるに違いない」と思いがちですが、そんなに甘くありません。例えば、「活字離れ」は企業の中でも相当深刻な問題です。ただ配布しただけでは「イラストや写真、図の部分位は、ざっと目を通してくれた」程度に考えるべきです。そこで必要になってくるのがブランド浸透のための社内での講習会や研修・ワークショップの開催です。企業の中で実施するとすれば、人事部などが主催する研修が思い浮かぶと思います。しかし、それ以外にもブランドのワークショップの機会は、いろいろな形で実現できます。実施しやすいブランド講習の形式は企業ごとの形態で異なります。本社や工場などの多くの人がまとまって働く職場でしたら、定期的に全員を集めた会議や朝礼の様な機会を利用することが可能です。しかし、支店や出張所など遠隔地で人数も少ない職場だと、ブランド担当者がすべての拠点に出向いて説明するわけにも行かないと思います。その様な場合には、ブランドブックの内容をかみ砕いた解説用の簡易版を定期的に発行するとか、社内のイントラサイトなどに掲載するなどの工夫が必要になります。

    brandbook_system

    ブランドブック制作に必要なポイント

    ブランドブック制作ポイント① シンプルな構成や表現にする

    ブランド体系を複雑な図で説明するもの、似たような語句が大量に並ぶものなど、読み手が考え込んでしまうようなブランドブックも多く存在します。もちろん、企業のブランディング活動は多岐に渡り、多様なステークホルダーがいる中では、最大公約数的なまとめ方になりがちで、結果的に複雑かつ難解な内容になってしまう場合もあります。しかし、ブランドブックは、制作者の自己満足のために作るものではなく、社員が理解・共感し行動につなげるためのきっかけを提供するものとして制作しなければなりません。そして、その先にいる顧客やステークホルダーに、自社のブランド価値を高めてもらうことが目的です。シンプルなメッセージでなければ、ブランドを伝える社員が、そのメッセージをうまく伝えることはできません。「伝える」ことが目的のツールであることを強く意識しなければ、効果的なブランドブックではありません。

    ブランドブック制作ポイント② 単なるルールブックにしない

    ブランドブックの冒頭に「ブランドは顧客やステークホルダーとの約束である」という説明を見ることが多い。しかし、ブランドとは受け手の心の中にできるものであり、企業とステークホルダーとのコミュニケーションによって醸成されるものです。もちろん、いいコミュニケーションを行うためにも、企業側、そしてそれを実行に移す社員がステークホルダーに約束をするという考え方は有効です。しかし、注意しなければいけないことは、社員に「面倒な規則が増えた」と感じさせてしまうことです。ブランドブックを手にした時、「このような姿になりたい」と思わせることができるか、「また、規則が増えた」と思われるか。この差は、非常に大きいのです。約束を“覚える”ことが目的ではなく、約束を“実践する”ことが目的なのです

    ブランドブック制作ポイント③ 横文字(カタカナ)だらけにしない

    スローガンやビジョンなどの様々なメッセージを発信する際に、英語やカタカナを始めとする横文字を利用することが多くあります。もちろん、外資系の企業に見られるように社内での公用語が英語である場合、グローバルに向けた共通のメッセージを使う必要がある場合もあるでしょう。しかし、そのような必要がない場合に、カタカナやアルファベットを乱用することは、受け手の理解を妨げることにもつながります。見栄えがよくカッコ良いなどの理由で、安易に外国語のメッセージを使うケースも少なくありません。重要なのは、その言葉から内容がイメージできることです。社員向けのコミュニケーションの目的は、きれいに見せることだけではなく、理解・共有し行動につなげることなのです。

    まとめ

    ブランドブックの重要な目的と役割は、「ブランドブックの内容を、全ての社員が自分の業務に取り込むこと」です。残念なことに、ブランドブックを制作し配布することが目的化してしまっているケースも多く、このような場合は1ヶ月もすればブランドブックは書類の山に埋もれてしまい読み返されることもありません。社員が企業のブランドを正しく認知・理解し、それを行動に反映させるためには、ただ配布するのではなく講習会やワークショップを同時に開催することも必要です。ブランドブックの役割は、その内容を理解させるところまでです。業務の目的やスタイルが多様である社員の1人1人が、自らの業務にブランドの考え方を反映させるためには、自分で考え、行動し、実感し実践するというプロセスが重要なのです。自社のブランドを知ることは、ブランドを自分の行動や活動に取り込むことなのです。少なくとも、従業員に読まれないブランドブックでは、企業のブランド価値を高めていくことはできません。押し付けるのではなく、共有するという視点を持つことが、成功への第1歩なのです。

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    [ ブランディング開発論/手法 ]

    インナーブランディングに必要なクレドの役割

    企業におけるインナーブランディングとは、インターナルブランディングやインターナルマーケティングとも呼ばれ、社内(社員)に対して企業のブランドコンセプトやビジョン、ミッションを理解・浸透させるための啓蒙活動のことを指します。一方、消費者などに対して自社のブランドを啓蒙する活動をアウターブランディングと呼びます。今回は、社内浸透におけるインナーブランディングの活動にとって必要不可欠なツールであるクレドに関してご説明させていただきます。

    ==================================================

    クレドとは何か?

    クレドとは、ラテン語で「志」「信条」「約束」を意味する言葉です。ブランディングにおいては「経営理念」を表わす言葉として定着しています。経営理念は、どの企業にもあるものですが、それを社内・社外に上手く浸透させ、経営の武器として活用している企業は意外と少ないはずです。また、どんなに経営理念が素晴しくても、従業員をはじめステークホルダーである顧客、株主、取引先などに伝わらなければ何の意味もありません。そこで、既存の企業理念の本質をそのままに、自社の存在意義、仕事への誇り、社会に貢献している意識を盛り込み、新しい経営の価値観を形にしたツールが「クレド」なのです。

    インナーブランディングにおけるクレドの必要性とは

    innerbranding_01

    1.  経営理念に基づいた経営をすることができる
    2.  経営者と同じ視点で意思決定できる社員が育成できる
    3.  権限委譲が進み、経営者が現場を離れても動く組織ができる
    4.  ブランドイメージが向上し、他社との競争力がつく
    5.  自社の価値観に共感する、優れた人材が集めることができる
    6.  共通の目的を持つことで、チームワークが良くなる
    7.  顧客志向の組織文化ができ、社風が良くなる
    8.  仕事の目的が明確になり、社員の働き方が向上する

    innerbranding_02

    インナーブランディングにクレドを活用し成功している企業

    ● ザ・リッツ・カールトン 「 ゴールド スタンダード 」

    ritz_credo

     (引用:THE RITZ-CARLTON HPより)

    企業理念「ゴールドスタンダード」

    ゴールドスタンダードは、ザ・リッツ・カールトンホテル カンパニー L.L.Cの根幹を成しています。当ホテルの価値観と理念が結集された「企業理念」であるゴールドスタンダードには次の項目があります。

    クレド

    ザ・リッツ・カールトンはお客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命とこころえています。私たちは、お客様に心あたたまる、くつろいだ、そして洗練された雰囲気を常にお楽しみいただくために最高のパーソナル・サービスと施設を提供することをお約束します。ザ・リッツ・カールトンでお客様が経験されるもの、それは感覚を満たすここちよさ、満ち足りた幸福感そしてお客様が言葉にされない願望やニーズをも先読みしておこたえするサービスの心です。

    モットー

    ザ・リッツ・カールトンホテルカンパニーL.L.C.では「紳士淑女をおもてなしする私たちもまた紳士淑女です」をモットーとしています。この言葉には、すべてのスタッフが常に最高レベルのサービスを提供するという当ホテルの姿勢が表れています。

    サービスの3ステップ

    ❶ あたたかい、心からのごあいさつを。
    ❷ お客様をお名前でお呼びします。一人一人のお客様のニーズを先読みし、おこたえします。
    ❸ 感じのよいお見送りを。さようならのごあいさつは心をこめて。お客様のお名前をそえます。

    サービスバリューズ:私はリッツ・カールトンの一員であることを誇りに思います。

    1. 私は、強い人間関係を築き、生涯のリッツ・カールトン・ゲストを獲得します。
    2. 私は、お客様の願望やニーズには、言葉にされるものも、されないものも、常におこたえします。
    3. 私には、ユニークな、思い出に残る、パーソナルな経験をお客様にもたらすため、エンパワーメントが与えられています。
    4. 私は、「成功への要因」を達成し、ザ・リッツ・カールトン・ミスティークを作るという自分の役割を理解します。
    5. 私は、お客様のザ・リッツ・カールトンでの経験にイノベーション(革新)をもたらし、よりよいものにする機会を常に求めます。
    6. 私は、お客様の問題を自分のものとして受け止め、直ちに解決します。
    7. 私は、お客様や従業員同士のニーズを満たすよう、チームワークとラテラル・サービスを実践する職場環境を築きます。
    8. 私には、絶えず学び、成長する機会があります。
    9. 私は、自分に関係する仕事のプランニングに参画します。
    10. 私は、自分のプロフェッショナルな身だしなみ、言葉づかい、ふるまいに誇りを持ちます。
    11. 私は、お客様、職場の仲間、そして会社の機密情報および資産について、プライバシーとセキュリティを守ります。
    12. 私には、妥協のない清潔さを保ち、安全で事故のない環境を築く責任があります。

    第6のダイヤモンド

    • ミスティーク
    • エモーショナルエンゲージメント
    • 機能的

    従業員への約束

    ザ・リッツ・カールトンではお客様へお約束したサービスを提供する上で、紳士・淑女こそがもっとも大切な資源です。 信頼、誠実、尊敬、高潔、決意を原則とし、私たちは、個人と会社のためになるよう持てる才能を育成し、最大限に伸ばします。 多様性を尊重し、充実した生活を深め、個人のこころざしを実現し、ザ・リッツ・カールトン・ミスティークを高める…ザ・リッツ・カールトンは、このような職場環境をはぐくみます。

    まとめ

    インナーブランディングを成功させるためには、クレドを作っただけで満足してはダメなのです。しっかりと社員全員に理解、浸透させないと何の意味もありません。その取り組みの1つとして、社員全員でクレドの項目で実行できた事、実行できなかった事を共有することも重要です。そのためには、クレドの読み合わせなども効果があります。こうした取り組みをすることで社員1人1人が楽しく前向きに仕事が出来ればインナーブランドは成功なのです。

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    [ ブランディング開発論/手法 ]

    リブランディングが必要な理由とタイミングとは?

    ブランドは、たとえ競合ブランドに模倣されることがなくても、放って置けばいずれは陳腐化してしまいます。機械が劣化するように、人に老化があるように、これはブランドにとっても避けては通れない運命なのです。そして、競合ブランドがあらゆるブランド戦略やマーケティングを仕掛けてくるのも当然のことなのです。それ以上に怖いことは、時代の進歩や消費者の慣れにより、放っておけばやがては飽きられてしまうことなのです。今回は、このブランドの陳腐化と、それを打破するためのリブランディングについてご説明させていただきます。

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    リブランディングは現状の問題点を知ることが必要

    リブランディングにおいて最も重要なことは、「なぜリブランディングが必要なのか」原因や理由を徹底的に考えることです。また、ブランドに飽きたり、マンネリを感じるのは、意外なことにユーザーよりも、発信している本人たちだったりするケースも多いのです。誰の心がブランドから離れているのかを見極めることも重要なポイントです。

    リブランディングに必要な3つの「Re」とは

    re

    ❶ リポジショニング
        ブランドの立ち位置を変えること。

    ❷ リフレッシュ
        ブランドの見え方を変えること。                              

    ❸ リバイタライズ
        インナーとユーザーを活性化させること。

    リブランディングが必要な理由とタイミング

    市場環境の変化

    bill

    【 競合の成長と環境の変化 】
    もともと小さなビジネスだったところに大手企業が参入してくるケースもあれば、全く思いもよらないカテゴリーが突如として競合になる可能性もあります。

    techno

    【 新技術の登場による陳腐化 】
    自動車や家電などテクノロジーをベースにした技術開発における急激な進化。

    i

    【 新ジャンルの登場による衰退 】
    その商品やブランドというよりは、ジャンル全体が衰退してしまうケースです。例えばワープロやいわゆる携帯電話“ガラケー”のような例。

    three

    【 時代や価値観の変化 】
    日本では「お金より生きがい」という考え方が広がり続けています。また、若い世代を中心に広がる、物質的なモノは身の周りに必要最低限でよいと考える「ミニマリスト」の考え方。

    two

    【 社会構造の変化 】
    少子高齢化、ホワイトカラーの失業、グローバル化、現代はこうした大きな変化の中にあります。構造の変化に伴い、人々の価値観も変わっていきます。

    ブランドを劣化させないための努力が必要

    ブランドというものは、外的要因によって「変わらないところ」を持たなければなりません。しかし、それと同時に、常に変化し続ける部分もなければなりません。それを成功させている事例としてよく挙げられるのが、和菓子の「とらや」です。日本でも最古のブランドの1つであり、コアにある「おいしい和菓子を喜んで召し上がっていただく」という基本理念は一切変わっていませんが、ヨーロッパ出店や新業態「TORAYA CAFE」の展開など、常に新しいことに挑戦し、発信し続けている。それが顧客を飽きさせない理由なのです。

    リブランディングのタイミングは好調なうちに

    リブランディングは、ブランドが不調になってから行うものと思われがちですが、望ましいタイミングは「まだ好調なとき」です。売上が落ちてきた、何かテコ入れが必要だ、となる前に、少し先の未来を見据えて新しいものに挑戦する、新しいことを試してみる、ということも、リブランディングの動機として重要な考え方です。こうした、「リブランディングをすることになった理由」をきっかけに、「ブランドの理想像」を考える。その問いへの解答、その実現のための原理原則が、すなわちリブランディングにおけるコンセプトになります。

     

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    [ ブランディング開発論/手法 ]

    企業のブランド戦略の手法と展開事例

    企業がブランディングを成功させる上で最も重要なことは、独自のブランドコンセプトを作り、明確なターゲットを設定し、正確なポジショニングを築くことです。これをブランド戦略と言います。では、具体的に何をすればいいのか? 何からはじめればいいのか?という事になるのですが、難しく考える必要はありません。とてもシンプルなことなのです。企業におけるブランド戦略の手法には大きく3つの要素があり、「コンセプト」「ターゲット」「ポジショニング」で構成されています。これらを正しく設定することでブランド戦略は正しく構築できます。

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    企業のブランド戦略手法① コンセプト

    企業のブランド戦略にはコンセプトが必要です。コンセプトの意味は物事の基本概念のことですが、企業のブランド戦略でいうブランドコンセプトとは、下記の4つになります。

    1. 誰に:どんな人をターゲットにしているのか?
    2. 何を:どんな商品・サービスを提供しているのか?
    3. 何の為に:何にためにそのビジネスをしているのか?
    4. どのように伝えるか:お客さんにどのように理解して欲しいのか?

    今、あなたの手元にあるブランドは、ブランドのコンセプトが正しく伝わった証拠です。つまり、あなたにとってそのブランドを持つ価値がコンセプトによって決められていたことになります。商品やサービスに設定されたコンセプトは、USP(商品やサービスが持つ他社とは違う強み)から作られ、企業自体に設定されたブランドコンセプトは、経営理念や企業理念から作られます。また、あなたにとっての価値とは、金銭や物理的なものばかりではなく、「みんなが使っているから安心して使える」「誰も使っていないから特別感がある」という精神的なものも含まれています。

    企業のブランド戦略手法② ターゲット

    コンセプトにおける「誰に」を設定することがターゲティングです。このターゲットがズレてしまうと、ブランディングは成功しません。そこで、ターゲットにズレが生じないために、ペルソナを用いたターゲティングを行います。ペルソナとは、ブランドの商品やサービスに対する理想の顧客ことです。世の中の人は、性別、年齢、職業、家族環境、生活環境、経済環境などの要素の組み合わせによって、細かく分類されます。商品やサービスを提供した時に、どのような要素を持ち合わせた人であれば一番メリットがあり、喜んでもらえるかを追求した人物像がペルソナです。このペルソナに対しブランディングは行います。

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    企業のブランド戦略手法③ ポジショニング

    企業のブランド戦略にとって、最も重要なのはポジショニングです。商品やサービスを、誰に、どのように提供するかによって、市場のポジショニングが変わります。そして、ポジショニングが変わることで、ブランドも変わります。また、ターゲットとする顧客からのイメージも非常に重要です。顧客から独自性のあるブランドの価値を認めてもらうことができればポジショニングがうまく機能し、競合ブランドとの差別化ができるのです。

    positioning

    企業におけるブランド戦略の違いと展開事例

    企業がブランド戦略におけるポジショニングを検討する上で、自社の立ち位置だけでなく、競合ブランドの立ち位置を把握し比較することで自社の独自性を発見することができます。そして独自性を見つけるためには、様々な条件で比較することが必要です。ブランド戦略の展開事例として、マクドナルドとモスバーガーをファーストフードの特徴である「スピード」「価格」と、消費者の意識が高まっている「食の品質管理」という3つの機能的価値を基準に比較してみます。

    brand_burger

    1. スピード

    マクドナルドによる「ENJOY!60秒サービス」
    マクドナルドでは以前に「ENJOY!60秒サービス」というキャンペーンを行っていました。このキャンペーンは、お会計終了から商品お渡しまでを砂時計で計り、60秒を超えてしまった場合にハンバーガー類と交換できる無料券をプレゼントするというものでした。これはマクドナルドのオペレーションの速さがあったからこそ実現できたものといえるでしょう。

    注文を受けてから調理するモスバーガー
    一方モスバーガーでは、注文を受けてから調理をしているため時間がかかります。そのため注文後に番号札を渡され、調理後に店員がお客の席まで商品を渡しにきます。あるテレビ番組の調査によるとモスバーガー1個つくるのに7分6秒かかったそうです。

    2. 価格

    マクドナルドの「おてごろマック」
    2016年に実施されたマクドナルドの「おてごろマック」では3種のハンバーガーを単品200円、サイドメニューとドリンクが付くセットでもワンコインの500円で提供。他にもSサイズのコーヒー、コーラなどのドリンク、ソフトクリームも100円で提供しています。また、電子クーポンをダウンロードできるモバイル会員数が3,500万を突破していることからもお客が安さを求めていることがわかります。

    プレミアム感を打ち出すモスバーガー
    モスバーガーでは最安のハンバーガーを220円、一番高いハンバーガーを580円で提供しています。こちらでもWeb会員向けにクーポンを配布していますが、不定期で更新されています。このようにモスバーガーでは、プレミアム感を打ち出した商品販売やクーポンを不定期に配信するなどマクドナルドの低価格路線とは一線を画しています。

    3. 食の品質管理

    食の問題が相次いだマクドナルド
    マクドナルドでは、2014年の期限切れの鶏肉問題や2015年の異物混入問題で、品質の面で不安に思う消費者もいまだに多いのが現状でしょう。WebサイトのQ&Aでは「トマトの鮮度は、ちゃんと保たれているのですか?」など、飲食店として当たり前に行っているであろう品質管理について、心配している消費者の質問が掲載されています。ブランド戦略を3つの条件で見てきましたが、それぞれポジショニングの縦軸と横軸に当てはめると

    ・マクドナルドは「早くて安い」「早いが質がよくない」「安いが質が良くないので不安」
    ・モスバーガーは「遅くて高い」「遅いが質がいい」「高いが質が良く安心」

    というポジショニングを想定することができ、マクドナルドは安さと早さ、モスバーガーは品質に重きを置いているのがわかります。

    モスバーガーの生野菜は全て国産
    モスバーガーでは、生野菜は全て国産で、お店には産地、生産者が黒板に明記されています。そのため消費者はモスバーガーに対し「安心・安全」だと感じています。また、注文を受けてから調理しているため、作り立てを味わうことができます。

    まとめ

    企業がブランド戦略を考える中で、イメージは重要です。しかし、ブランド戦略におけるイメージとは企業あるいは商品・サービスが目指すものが何であるかをわかりやすく表現したものである必要があります。そのためには、企業が目指すイメージと実際に消費者が持っているイメージとの間にどの程度ギャップがあるかを確認し認識することが重要です。この仮説作業こそがブランド戦略における重要な部分なのです。

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    [ ブランディング開発論/手法 ]

    トーン&マナーがデザインに必要な理由

    ブランディングにおけるデザインとは、ブランドの世界観を創造し構築することです。すなわち「らしさ」を表現することなのです。そのためには、広告・販促物などのクリエイティブ表現全体が一貫していなければなりません。では、どうすれば統一されたブランドの世界観を構築できるのでしょうか?その解決法としてデザインのトーン&マナーを設定するという手法があります。今回は、このトーン&マナーがデザインにとって何故必要なのか?どうすれば良いのか?このことについてご説明させていただきます。

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    デザインにおける時代の変化

    マス広告、つまりテレビや新聞などの旧メディアの衰退は、デザインの業界にも大きな影響を及ぼしています。CMなどの広告では「モノ」が売れないという時代、そして広告費の削減といった現状は、デザインの価値基準に大きな変化をもたらしています。古き良き時代の旧デザインは衰退していますが、戦略としてのデザインはむしろ熱い注目を浴びています。ブランディングやマーケティングの視点で考えれば、デザインへの期待と効果は大きく今では必須となってきています。

    デザインのトーン&マナーが必要な理由

    印象的で独自性の高いロゴをデザインすることは、デザインの類似も含め難易度が高いというのが現状です。そして、デザインに高額なコストと時間をかけたとしても、その後に相当数の露出や時間の経過がなければロゴだけでの効果は実感できません。そのためには、ロゴだけでなくデザインの正しいトーン&マナーを設定しブランドが醸し出す世界観を表現し伝えることが必要なのです。

    application_design

    デザイン表現におけるトーン&マナーの概念とは

    デザインにおけるトーン&マナーとは、「らしさ」や「世界観」の考え方や表現の基盤になるものです。人はモノを目で見ているようで実際は、今までの知識と経験から頭でイメージを作りあげているのです。それは、「良いイメージ」の場合もあれば「悪いイメージ」の場合もあるのです。すなわち頭の中にある潜在意識なのです。そして、もともと人が持っている「知覚情報」は、あまり変えることができません。ですから「知覚情報」を計算して、人に伝えるために「視覚情報」としてのトーン&マナーが有効なのです。簡単に言うと伝えたい印象を計算し意図的にデザインすることで顧客の価値観や潜在意識に入り込むということなのです。

    communication

    成功しているブランドにはデザインのトーン&マナーがある

    私たちが認識しているブランドのほとんどには、すでにデザインのトーン&マナーが存在しています。つまり、ブランドを深く知らなくても「らしさ」や「世界観」を感じているのです。逆に印象やイメージが無いブランドには、トーン&マナーが存在しないのです。

    TIFFANYブランド を構成するデザインの世界観

    tiffany-tone

    BMW ブランドを構成するデザインの世界観

    bmw-tone

    まとめ

    ただ単にカッコ良いだけの表層的なデザインをすることや統一感のないデザインをすることは、ブランディングにとって何の効果もありません。むしろ逆効果かもしれません。そのためには、戦略的にデザイン表現におけるトーン&マナーを設定し、上手くコントロールすることで高いブランディング効果が得られるのです。デザインにおけるトーン&マナーを設定し構築ことは、決して簡単ではありません。しかし、成功すればブランドにとって有益な効果をもたらすはずなのです。

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    [ ブランディング開発論/手法 ]

    CI・VI・BIの意味と目的の違いとは?

    CI(コーポレート・アイデンティティ)、VI(ビジュアル・アイデンティティ)、BI(ブランド・アイデンティティ)それぞれの名称は聞いたことがある。もしくは知っているという人も多いのではないでしょうか。しかし、その本来の意味の違いや目的を正しく理解している人は少ないのではないでしょうか?今回は、この3つのアイデンティティ(CI・VI・BI)の明確な違いや関係性、意味合いについて詳しくご説明させていただきます。

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    CI・VI・BIの違い

    CI(コーポレート・アイデンティティ)、VI(ビジュアル・アイデンティティ)、BI(ブランド・アイデンティティ)の大きな違いは目的と役割です。

    CI・・・企業ブランドの理念やビジョンの明確化
    VI・・・企業ブランドの可視化

    BI・・・CIと同様にブランドに特化したもの

    CI(コーポレート・アイデンティティ)の意味と目的

    ci_corporate_identity

    CI(コーポレート・アイデンティティ)とは、企業の商品やサービスなどの「らしさや特徴」を共通したイメージや文章などで顧客が認識出来るように働きかけるブランディング活動のことです。企業がブランドの理念やビジョンを統一したイメージで展開し社会と共有することで、企業のブランドイメージの認知と理解浸透をさせることができます。その上で、ブランドを体現したシンボルやロゴをデザインし、お客様や取引先、そしてあらゆるステークホルダーに企業のビジョンやコンセプトを伝えることが重要です。その際、単にロゴのデザインだけを開発するのでなく、その先の展開までを視野に入れたデザイン開発と運用規定(ブランドガイドライン)を定着させることでCI(コーポレート・アイデンティティ)のもたらす成果を上げることができます。シンボルやロゴといったCI(コーポレート・アイデンティティ)の開発には、マーケティングのアプローチと、クリエイティブなアプローチの両方が必要です。それはCI(コーポレート・アイデンティティ)に触れるターゲットの対象がきわめて広いからです。CI(コーポレート・アイデンティティ)活動は社員のモチベーションやロイヤリティ向上、社会・メディアのイメージ管理、取引先などへの付加価値の提供など大きな意味と目的を果たします。
    【 関連記事:CIコーポレート・アイデンティティとはブランディング開発論/手法

    VI(ビジュアル・アイデンティティ)の意味と目的

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    VI(ビジュアル・アイデンティティ)とは、CI(コーポレート・アイデンティティ)を構成する上での需要な要素で、ロゴやシンボルのデザイン、各種アプリケーションデザインを中心とした視覚的な展開全般を指します。企業が伝いたいブランドイメージを効果的に表現することが重要でCI(コーポレート・アイデンティティ)活動において中心的役割を担います。具体的な視覚的コミュニケーションデザインとして会社案内やパンフレット、WEBサイトはもちろん、ステーショナリーからサインまであらゆるものをデザインし統一的に展開していきます。デザインを通じてビジュアルを設計し、お客様からの信頼感や社員のモチベーションを高めます。そして、核となるデザインのメッセージをあらゆるメディアやシーンに理解浸透させることで、企業(ブランド)のもつ一貫性ある価値観を表現し、企業の揺るぎない存在意義をより強化させることに大きな意味と目的があります。
    【 関連記事:VIビジュアル・アイデンティティとはブランディング開発論/手法

    BI(ブランド・アイデンティティ)の意味と目的

    企業ブランドがもっている独自の「らしさ」。ブランドの価値を支えるのは、印象や感性の「らしさ」、考え方における「らしさ」、顧客への対応や振る舞いにおける「らしさ」などがあります。BI(ブランド・アイデンティティ)の構築とは企業のあるべき姿についての多角的アプローチです。企業が生活者や市場、採用希望者などからどのような印象をもたれているのか、そしてそこには企業の目指すべき方向性とどういうギャップがあるのかという調査・分析をし、広告やプロモーションの展開を視野に入れたコミュニケーションの開発を行います。企業の考える特長や強みをお客様にとっての価値に置き換え、企業の理念やビジョン、コンセプトをキーメッセージ化し情報として発信します。企業の核となる「考え方」や「振る舞い」は社内外に理解浸透させ、視覚的な「デザインクリエイティブ」と一体化させることに大きな意味と目的があります。

    CI(コーポレート・アイデンティティ)を構成する3つの要素

    mi-bi-vi

    ① MI/マインド・アイデンティティ(企業の考え方)
    ② BI/ビヘイビア・アイデンティティ(企業の行動)
    ③ VI/ヴィジュアル・アイデンティティ(企業の可視化)

    MI(マインド・アイデンティティ)とは、企業が目指すべき理想のあり方や、社会に対する存在理由・役割などといった企業理念。企業理念は、その企業の経営の中核となる考え方であると共に、社員の精神的な柱になる経営哲学とも言えます。具体的には、企業理念、社是、行動指針、スローガン、メッセージなどを指します。BI(ビヘイビア・アイデンティティ)とは、企業理念、経営規模、事業領域を達成するために必要な具体的な計画や行動を指します。例えば、組織の機構改革、活性化、商品の品質管理、販売促進、広告宣伝などの実行計画が立案され、それをもとにした実践的な行動が展開される場合など。特に最近では、組織の機構改革・活性化、商品の品質管理などの計画立案・実践行動が重視される傾向があります。VI(ビジュアル・アイデンティティ)とは、ロゴやシンボルマークなどの視覚的要素のことで、企業が伝いたいブランドイメージを効果的に表現することが重要です。

    CI・VI・BIの違いと必要な理由

    ① 企業ブランドを社外の多くの人々に認知してもらうため
    ② 企業ブランドを社内の人に理解浸透させ行動してもらうため

    似たような企業がたくさんあれば、人はその中の1つの企業を認識することはできません。そこで、たくさんある企業の中から人々に認識してもらうために必要なのが、企業のアイデンティティをつくるCI(コーポレート・アイデンティティ)なのです。より多くの人々に企業を知ってもらうということは、品質向上や人員の拡大などにつながるため、企業が多くの利益を出すためにとても重要なことです。それと同時に、シンボルやロゴを使用したり、制服を使用したりと、VI(ビジュアル・アイデンティティ)を中心に企業のイメージを統一することで、社内(社員)が一致団結することができます。また、外からも認識されやすいため、自然と社員の方々も外を意識し、企業を背負って行動することになります。CIとVIは、その企業の顔となるものです。このように、CIとVIによって企業の認知度と社内(社員)の意識が高まり、結果的により良い企業のブランド活動が行えるのです。

    まとめ

    顧客の満足度を高めるためには、商品の質やサービスなど様々な要素も重要になります。しかし、商品やサービスの質を高めるだけでは顧客にとって競合他社と区別することはできません。つまり、ブランディングによって、顧客に「この商品・サービスでなければならない」と思ってもらう活動がCI(コーポレート・アイデンティティ)・VI(ビジュアル・アイデンティティ)・BI(ブランド・アイデンティティ)・戦略なのです。

    弊社のCI(コーポレート・アイデンティティ)実績

    ci_fullthrottle
    [ 株式会社フルスロットル ] http://www.chibico.co.jp/works/fullthrottle/

    ci_mizuno
    [ 株式会社ミズノ ] http://www.chibico.co.jp/works/mizuno/

    ci_chiikulab
    [ 株式会社知育ラボ ] http://www.chibico.co.jp/works/chiiku_lab

    ci_it_holdings
    [ IT Holdings ] http://www.chibico.co.jp/works/it_holdings_group/

    弊社のVI(ビジュアル・アイデンティティ)実績

    vi_monocoto
    [ MONOCOTO ] http://www.chibico.co.jp/works/monocoto/

    vi_women_in_action
    [ Women in Action ] http://www.chibico.co.jp/works/women-in-action/

    vi_dah
    [ Dome Athlete House ] http://www.chibico.co.jp/works/dah_dome_athlete_house/

    vi_airquin
    [ Airquin ] http://www.chibico.co.jp/works/airquin/

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    [ ブランディング開発論/手法 ]

    ブランドのロゴデザイン制作のコツ

    企業や商品、サービスのブランドロゴやシンボルを新しくデザインすることは難しいプロセスです。ネーミング、カラー、フォントの種類、イメージ、サイズ、形、コンセプトなど、考えなければいけないことが数多くあります。人々にとって覚えやすく、企業のブランドイメージに合致したロゴデザインをすることは、「ブランディング」において必要不可欠なのです。名刺や封筒をはじめWebサイト、パッケージ、広告、サイン等あらゆるものに使われるため、マーケティングに大きな影響を与えます。では、実際にロゴデザイン開発でブランディングを成功させるには、どのようなことがポイントになってくるのでしょうか。ロゴデザインを開発する際の成功するためのコツと重要なポイントについてご説明させていただきます。

    ==================================================

    企業(ブランド)の顔としてのロゴデザイン

    企業(ブランド)と人を結び付けるブランドは大切なものです。しかし、大切なものであるにもかかわらず、ブランドは目には見えません。取引をした人にとっては、その企業のブランドの良さが分かるかもしれません。ただ、事前にその良さを伝えることができなければ、意味がありません。一方的な発信でしかないのです。そこで、デザイン、キャッチコピー、写真、イラスト、ウェブデザイン…様々な手段を用いて、企業の良さを表現します。その中でロゴのデザインは、イメージやメッセージを凝縮した企業の顔なのです。ロゴが良くない、ということは企業の顔が良くない、ということです。ロゴがいまいちでは、商品やサービスを伝える前に良くないブランドイメージを伝えてしまうのです。それでは、ロゴとは一体何なのでしょうか?ロゴとはロゴタイプを略したものです。ロゴタイプは社名やブランド名をデザインしたものです。そのためロゴタイプは文字の延長線とも言えます。ロゴと共に使用されるマークはシンボルマークといいます。ロゴタイプとシンボルマークを合わせたものがロゴマークになります。これにコーポレートステートメントと呼ばれるスローガンを加える場合もあります。世間に知られている「ロゴ」とはロゴマークのことを指すのが一般的です。

    優れたブランドのロゴデザインとは?

    logo-development

    ブランディングにおいてビジュアル要素の1つであるロゴデザインの重要性はとても高いのです。人の視覚的要素として消費者の記憶に最も直結しているのが企業や商品、サービスなどのシンボルやロゴのデザインです。優れたロゴデザインは単純に見た目が美しいだけではなく、ビジネスにおいても大きな効果と価値を生み出します。既存顧客からのロイヤリティ獲得に加え、広告やプロモーション活動においても効果を発揮し、競合との差別化要因としても重要な要素となります。例えば下記のように記載されているロゴによって消費者がそれに対して感じる「価値」は異なるはずです。正しくロゴをデザインし運用(ロゴガイドライン)すればブランドの価値もアップします。

    ロゴデザイン制作のポイントとコツ

    【 感覚的 】

    1.  独自性 / 他と類似しないオリジナリティがあるか
    2.  信頼性 / 安心できる誠実さを感じるか
    3.  造形性 / 多くの人が見て心地よく感じる美しいデザインか
    4.  国際性 / 海外で使用する場合、国による風習の違いなどを考慮しているか
    5.  先進性 / 時代の先を見据えた新しさを感じるデザインか

    【 機能的 】

    1.  視認性 / あらゆる環境化で識別できるか展開性あらゆる媒体に展開しやすいか
    2.  展開性 / あらゆる媒体に展開しやすいか
    3.  記憶性 / 記憶に残るデザインか
    4.  普遍性 / 時代の流行に影響を受けず、不特定多数の人が共感できるデザインか
    5.  再現性 / 特殊な媒体であっても正しく表示できるか

    ① シンプル

    レオナルド・ダ・ヴィンチは、”シンプルである事は究極の洗練だ”と言いました。デザインにおいてシンプルである事はある意味完成形です。ロゴデザインに関しても同じで、シンプルである方が見た人に覚えてもらいやすく、脳がそのロゴデザインを感覚に変換しやすくなります。何度も変更が施されているロゴの場合は、その度にどんどんシンプルになってきています。これにはきちんとした意味があります。デザイナーがロゴデザインを行なう際の間違いの1つが、グラデーションやシャドー、過剰な数の色を使ってしまう事です。これ以上ないぐらいに削ぎ落としシンプルな方が良いロゴデザインとされています。

      apple_logo          mac_logo         uniqlo_logo  

    ② 独自性

    完璧なロゴデザインは、独自性が高く唯一無二の存在です。仮に模倣者が現れたところで、オリジナルの独自性は損なわれません。完成度の高いロゴデザインは、細部にまでこだわったオリジナルの書体でデザインし、ブランドカラーも厳選したもので表現することで独自性を打ち出しています。独自性の強いなオリジナルなロゴをデザインするなら、前例のないことに挑戦するべきです。

    11       ge-logo       Lamborghini-Logo

    ③ 普遍性

    ロゴのデザインがころころ変わってしまっていてはユーザーが混乱してしまい、企業のブランドイメージも定着しにくくなります。一方で、昔から同じロゴデザインで消費者に愛されているブランドは、普遍的なイメージ構築に成功しています。トレンドを追いかけたデザインは時代と共に陳腐化しますが、基本に忠実で無駄を極力排除した洗練されたデザインは、何年経ってもその魅力が色あせる事は無く普遍的な存在であり続ける事が出来ます。

    goodyear-logo        cocacola_logo

    ④ 可読性

    ロゴをデザインする時に最も気にしなければならないのが、それがどのように利用されるかという事です。名刺やWebサイトを始めとして各種広告、動画、ビルボード、新聞掲載、Tシャツ、ステッカー、カップケーキに至るまで、ロゴは様々なメディア上で利用される多面性を持ち合わせている必要があります。その為には過度な拡大や縮小、モノクロ低解像度での印刷にも耐えられる必要性が出てきます。それを考えればロゴデザインは自ずとシンプルで構成要素の少ないものになるべきなのです。

    city_bank_logo        fedex-logo

    ⑤ 再現性

    WEB・紙媒体、カラー・モノクロ、サイズの大小等に関わらず、再現できるロゴデザインになっているかがとても重要です。例えば、ロゴを小さく表示すると一部がつぶれてしまたり、印刷で再現できないような色を指定している場合には、どれだけ素敵でカッコいいロゴデザインであっても無意味なのです。エフェクト処理としてドロップシャドウやグラデーション等は、よく目にする手法ですが、適切に上手く使用しコントロールできなければ、文字の可読性や造形性、再現性を大いに損ねてしまします。影は薄め、ぼかし幅や影の移動量が僅かであっても立体的な効果は得られます。主役を脅かす派手な処理はなるべくさけ、控えめなデザイン表現を心掛けるべきです。

     louis_vuitton_logo         zara_logo

    企業(ブランド)がロゴデザインを制作し運用する目的

    ブランドの認知をあげるための手法としてロゴデザインがあるわけです。もちろんロゴのデザインには費用がかかりますが、企業ブランド、そして商品やサービスのイメージをアップさせるためには欠かせないものであることは言うまでもありません。各企業がロゴをデザインするために、高額な費用をかけているのには理由があるのです。それはロゴをデザインし、正しく運用(ブランドガイドライン化)することが、最終的には売上・集客アップにつながり、ビジネス的成果が得られるからです。では具体的な対応や注意すべき点などについても触れてみたいと思います。こうしたロゴを利用する際、企業ブランドを指し示すものなのか、それとも商品やサービスを指し示すものかということも重要です。そして、展開の範囲が印刷だけでなくWEB等でも利用するのかなどをきちんと整理をしてからデザインを行うことが必要です。

    ロゴは企業ブランディングにおける重要なツール

    人は情報の大半を目から得ます。人の目は文字よりも絵や写真などに無意識に引き寄せられる性質を持っており、目から入った絵や写真は右脳で処理されます。左脳が言語的、論理的なことを扱うのに対して、右脳は非言語的で直観的、感情的なことを扱います。目から入ったロゴがかっこよかったり、好感のもてるデザインであると直感的に感じると、その良いイメージが長期にわたって記憶されるのです。物事を認識する速さというのも重要です。ロゴなどのはっきりとしたビジュアルになったものは、脳が瞬時に認識できます。何やらよく分からないものでなく、しっかりとあの会社だと分かるということは商品など選ぶ上でもとても強いアピールとなり、また安心感を与えることになります。そしてそれは繰り返されることによって、さらに印象度の認識の早さも加速度的になり、企業評価としてのブランディングイメージとあいまって、好印象が固定化されるのに大きく役立つことになります。ロゴデザインがなければビジュアルイメージが作られることがなく、商品や店を探すのにも時間がかかってしまいます。またロゴデザインがあれば、あっという間にあの企業のあの商品だという事が分かります。そういった判別を容易にするという機能だけでなく、良いイメージの付いたロゴはそのロゴの入った商品はもちろん、ロゴの入ったパッケージやショッピングバッグなどを持つだけでも、誇らしげな感覚と満足感を顧客にあたえることになります。それがブランディングという考え方なのです。そして長い間、信用を確立したロゴデザインは愛着さえも顧客に与えることになります。

    まとめ

    ブランディングの顔としてのロゴデザインの意味がわかっていただけたのではないでしょうか。多くの有名ブライドや企業が印象に残るロゴをデザインしているのは、ブランディングのためです。言葉だけ聞くと難しく感じ、何から始めて良いのかわかりづらいブランディングですが、まずは自分たちの企業を象徴する顔としてのロゴデザインとは何なのか考えてみることが必要です。そうすることによって本来のブランドが表現されているか、伝わっているかがわかるはずなのです。

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    [ ブランディング開発論/手法 ]

    企業がブランドスローガンを掲げる意味と目的

    暮らしの中で見聞きすることの多いのブランドスローガン。しかし、そのフレーズは覚えていても本来の意味までは理解していない人も多いはずです。では、なぜ企業がブランドスローガンを制作し発信するのでしょうか?それは、企業がブランドの「理念」「ビジョン」などの考え方を、消費者にイメージさせ伝えることが目的なのです。つまり、「企業が消費者に伝えたいメッセージ」を直感的に伝える言葉なのです。ブランドスローガンは、別にブランドメッセージ、ブランドステートメントなどとも呼ばれますが意味や役割は全て同じです。

    ==================================================

    ブランドスローガンの意味とは?

    ブランドスローガンの意味とは、企業理念、ビジョン、事業内容を明確にし端的に表現した企業のキャッチコピーです。展開としては、ロゴマークとセットで組み合わせてレイアウトし使用することが多いです。

    ・ロゴマークデザイン:視覚的に伝える役割
    ・ブランドスローガン:文章として伝える役割

    ブランドスローガンは短く分かりやすいことが重要

    企業のイメージを端的に伝えることができるブランドスローガンは、とても大切な言葉です。企業のビジョンや理念などを伝えるメッセージは、できるだけ短い文章で作成することが需要です。企業にどのような意思があるのか把握することができるようになっています。

    企業のブランドスローガンは顧客目線で発信する

    企業が提供するブランドスローガンはたくさんあるのですが、企業のあり方を伝えるブランドスローガンを発信することによって、顧客に企業の存在する意味を素早く伝えることが可能なのです。企業のあるべき姿を伝える目的のブランドスローガンは、信頼感や安心感をアピールしたり、取り組む姿勢やチャレンジ精神を強調したりと正しく伝えることで企業にとって大きなメリットがあるのです。

    良いブランドスローガンの条件

    【 ① ターゲットが明確であること 】

    企業が提供するブランドスローガンはたくさんあるのですが、企業のあり方を伝えるブランドスローガンを発信することによって、顧客に企業の存在する意味を素早く伝えることが可能なのです。企業のあるべき姿を伝える目的のブランドスローガンは、信頼感や安心感をアピールしたり、取り組む姿勢やチャレンジ精神を強調したりと正しく伝えることで企業にとって大きなメリットがあるのです。

    【 ② ユーザー目線であること 】

    企業のブランドスローガンは、一方的に思いだけを伝えるのでは消費者にメッセージは届きません。企業の想いや考えは、やり方を間違えれば、企業目線による理念の押し付けになってしまいます。ですのでメッセージを受け取るのは誰か? このことをしっかりと考え企業目線ではなく消費者目線で伝える必要があるのです。

    【 ③ 理念やビジョンをイメージできること 】

    企業のブランドスローガンを受け取った消費者は、そのフレーズを読んでどのようなことをイメージできるか?そして、イメージを膨らませることができるかが重要なのです。 そのイメージは、人の心に届き記憶に残るのです。

    企業が掲げるブランドスローガンの成功事例

    タワーレコード株式会社「NO MUSIC, NO LIFE」

    nomusic-nolife

    “音楽があることで気持ちや生活が豊かになる”という事を、店頭やオンラインをはじめ全活動を通し、体現していくこと、それがタワーレコー ド全スタッフのテーマです。いつも「音楽」自体を応援し、「音楽」を元気にしていくことこそがタワーレコードの社会に対する姿勢・責任であると考えます。是非あなたも、タワーレコードであなた自身の音楽を見つけてください。「NO MUSIC, NO LIFE?」1996年から音楽そのものを応援することを目的に制作し続けている「NO MUSIC, NO LIFE.」ポスター。アーティスト同士の異色のコラボレーションが話題を呼んできたこのポスター企画は、2008年より、アーティストにとっての、音楽(MUSIC)と世の中 (LIFE)の接点について語ってもらうことで、お客様にあらためて音楽に触れてもらうきっかけを提案しようという想いが託されています。
    (引用:TOEWR RECORD ONLINE)

    株式会資生堂「一瞬も 一生も 美しく」

    shiseido

    「美しく生きたい」という世界中の人々の願いに誠実に応えるために、当社がさらに徹底したお客さま志向の企業をめざすことを広く社会に宣言するメッセージとしてつくられました。今日までの資生堂の歩みは、人が美しく生きるためにさまざまな活動に取り組んできた道のりです。これからも資生堂は、一人ひとりのお客さまに一層満足していただくため、魅力ある商品ときめ細やかなサービスをお届けすることはもちろん、社会に対しても責任を果たしていきます。社会と、お客さまと、そしてすべての人が、「一瞬も 一生も 美しく」あるように。
    (引用:SHISEIDO GROUP 会社案内)

    サントリー株式会社「水と生きる」

    suntory-slogaun

    2005年から掲げているサントリーグループのコーポレートメッセージ「水と生きる SUNTORY」。これは、コーポレートマークの精神をよりわかりやすく伝え、私たちの思いや活動を広く社会と共有するための言葉です。ウイスキーやビール、ワイン、清涼飲料や健康食品など、お客様に水と自然の恵みをお届けする企業として、地球にとって貴重な水を守り、水を育む環境を守りたい。水があらゆる生き物の渇きを癒すように、社会に潤いを与える企業でありたい。そして水のように柔軟に常に新しいテーマに挑戦していこう。そんな思いを日々新たにする言葉。それが、「水と生きる SUNTORY」です。
    (引用:SUNTORY 企業理念)

    株式会社ライオン「今日を愛する。」

    lion

    LIONは、120余年にわたり人々の暮らしと共に歩んでまいりました。そこで学んだことは、人の一生は、“今日”という一日一日を積み重ねたものであり、毎日を、前向きに、充実して生きることこそが、幸せの本質だということです。“今日”を大切にすることは、一生を大切にすることです。価値ある未来に向かって、めぐりくる“今日”という一日一日を、この瞬間を、いとおしみながら、ていねいに、前向きに生きていくこと、そんな一人ひとりの「今日を愛する。」に役立っていくことが、私たちLIONの使命であると決意し、この想いをコーポレートメッセージに込めました。
    (引用:LION 企業情報)

    本田技研工業株式会社「The Power of Dreams」

    honda

    私たちHondaは、一人ひとりが抱いている「こんなものがあったら楽しいなあ」「これができたら、多くの人が喜ぶだろうなあ」という夢や想いを大事にして、日々新しい製品の創造や技術にチャレンジしています。夢があるから失敗を恐れず、夢の実現へとチャレンジする勇気と力が湧いてきます。夢は私たちを動かす大きな力。Hondaは「The Power of Dreams」を原動力に、世界に新しい喜びを提案していきます。
    (引用:HONDA 会社案内)

    まとめ

    企業がブランドスローガンを掲げる意味と目的、具体的な事例について書いてきましたが、その中で一番大切なことは、企業はブランドスローガンが顧客に与えるインパクトの大切さを理解し、魅力的なブランドスローガンを作らなければならないということです。ブランドスローガンを安易に考え何となく作ってしまうと、効果を期待できないだけではなく、逆にブランドイメージを低下させてしまいます。企業は、ブランドのビジョンや理念を伝えることのできるブランドスローガンをしっかりと考え掲げていくことが重要なのです。

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    [ ブランディング開発論/手法 ]

    強い企業にはブランド価値がある

    強いブランドは、常にブランド価値を意識したブランディング活動を継続して行っています。そうすることで顧客の心を掴み、ブランド価値を一層高めているのです。本当の意味でのブランド価値とは、顧客がブランドのファンになり、商品やサービスを繰り返し購入することでブランドが持つ魅力や信頼、安心を感じてもらうことなのです。しかし、ブランド価値を上げることはそう簡単ではありません。実際には、予算があれば、広告宣伝投下量を増やしたり、インパクトのあるCMに変えたりして終わり、ということが多いように感じます。これでは、短期的な売上増加効果はあっても、長期的なブランド価値の向上には繋がりません。それで一体はどうすれば良いのでしょうか?。

    ==================================================

    知名度=ブランド価値ではない

    「知名度を高めることができれば、強いブランドになる」このことは本当にそうなのでしょうか?
    ターゲット(消費者)に認知されていることはブランドづくりの大前提ではありますが認知されているだけでは強いブランドはできません。あなたにとって「広告などで、名前はよく知っているけれど、買おうとは思わない」商品はたくさんあるはずなのです。

    企業にとってのブランド価値とは何か?

    企業がブランド価値を上げるには、まず、「ブランディング」をしなければなりません。競合他社の商品やサービスとの明確な差別化が必要なのです。そのためには、ブランドの特徴やコンセプトを明確にし、ネーミング、ロゴ、パッケージ、広告などの視覚デザインによって具体的に表現し伝えていくことが必要です。ブランドコンセプトとは、誰の(ターゲット)、どんな目的に(ニーズ)、どんな機能(シーズ)で応えるかが基本になります。

    【 ブランド価値の指標 】

    • ブランドを好んでいる
    • 固定客が付いている
    • 知名度があり認知されている

    【 強いブランドの優位性 】

    • 競合他社の商品よりも高く売れる
    • 宣伝広告費を抑えることが可能
    • 店頭での優位置確保が可能

    ブランド価値を高めることで、競合他社よりも低コストで販売ができ、高い収益性を確保することができます。そして、高い収益性を元手にさらなる商品の改良や、新たな研究開発といった先行投資が可能になります。結果として競合他社に対してさらなる差別化や優位性を確保することができます。

    強いブランドに必要な条件

    1. コンセプトとイメージが明確であること
    2. 感性に響く訴求であること
    3. 情報発信力があること
    4. 口コミ発信力があること

    そして、強いブランドをつくるためには、以下の2点が必要です。

    どのようなブランドになりたいのか、ブランドの理想の姿「ブランド・アイデンティティ」を明確にする
    り手のセンスやデザインカなどで、顧客の「感性」や「情緒」に訴求するブランドづくり

    「こういうブランドにしたい」「こういうブランドになりたい」と、ブランドの理想の姿を明確に描かなければブランドづくりは始まりません。また、単に機能や品質が優れている(特徴)だけでは、強いブランドにはならないということなのです。

    ブランド価値を高める方法

    re-positioning

    【 ブランド価値を上げることは、ブランドのファンを増やすこと 】

    ファンが増えればさらに認知度や知名度は上がります。そして、ブランド価値を上げるもっとも大きな課題は、セグメント(顧客区分)とターゲティング(区分選択)を明確にすることです。この単純なことができていない企業も多いはずです。それは、特定の顧客をターゲットにしていないことを意味します。ブランド価値を上げるには、時としてブランドの原点であるコンセプトを見直すことも必要です。ブランドは放って置けば必ず陳腐化します。その場合には「時流」に再適合させることが必要です。つまり、誰の(ターゲット)、どんなニーズに、どんな機能(シーズ)で応えるかを再思考することです。そして、ブランドコンセプトを再度明確にし、変えることと変えないことを決めたた上で、ターゲット層にあらゆる接点を通じて、新しいメッセージを発信することです。その結果が、ブランド価値を上げる目的であるシェアアップなどに繋がるというのが基本です。

    ブランド価値を上げるためのブランド資産活用

    master-brand

    【 ブランド資産を活用する4つの方法 】

    1. マルチブランド
    2. ブランドエクステンション
    3. プレミアムブランド(サブブランド)
    4. ディフュージョンブランド(サブブランド)

    資産のあるブランドを「マスターブランド」と想定すると、ヨコへの展開は、「マルチブランド」展開、「ブランドエクステンション」展開があります。タテへの展開では、「プレミアムブランド」展開と「ディフュージョンブランド」展開などのサブブランディングがあります。現代社会は格差意識が強くなり、収入の格差も広がっています。一方で、商品に対する消費者の期待感は多様化しています。そのため、プレミアムブランドの展開も有効です。各ブランドの価値の差が分かるように、価格を含めた「松」「竹」「梅」のラインナップのようにブランドをサブブランディング化し、収益性を拡大する手法があります。例えば、昔では考えられなかったような高価格帯の商品です。20万円を超える電子レンジ、40万円を超えるデジタルプレーヤーやイヤホン、10万円近い掃除機や扇風機、10万円を超える炊飯器といった商品です。これは、独自の企画力や希少性などが結びついて、「松」ブランドの確立に成功し、「竹」「梅」で販売量を稼ぐ、タテのブランド展開の成功事例になっています。

    また、成熟したブランドを活性化させるためには必要条件があります。それは、マルチブランド化、ブランドエクステンション、サブランディングによるプレミアムブランド化、同じくサブブランディングによるディフュージョンブランド化です。しかし、ブランド力を上げる際に、消費者に、品質をともなわない「割高感」をもたれてしまえば逆効果です。それと同じくターゲティングを間違い社内ブランド間でカニバリを起こしてしまうことも避けるべきポイントです。こうなると、マス広告、売場が分割され、資源が分散されてしまうからです。そして、本質的な成功には、マスターブランドを補強し、ブランドの垂直と水平展開によるブランド戦略の実践です。このような多様なブランド展開と変わらぬ価値づくりには、ブランドマネジャーが必要になってきます。

    経済産業省のブランド価値評価

    【使用データは公表財務諸表を中心とする客観的財務データのみ】

    • 認知度などの定性要因を指数化するマーケティング
    • アプローチでブランドを金銭的に評価することは測定の信頼性を欠くと判断

    【ブランド価値の評価は連結ベースで行う】

    • 企業集団内の全てのブランド価値を連結財務諸表をベースとして算定
    • コーポレート・ブランドの価値と製品ブランドの価値の切り分けはしない

    【ブランド価値の構成要素は3つ】

    ① プレステージ・ドライバー(PD) → 価格プレミアム
    ブランド価値を有する製品の方がノン・ブランド製品よりも高い価値で販売できる。

    ② ロイヤルティ・ドライバー(LD) → ロイヤルティ
    ブランド価値を有することで、顧客に反復・継続して購入してもらえる。

    ③ エクスパンション・ドライバー(ED) → ブランドの拡張力
    ステイタスの高いブランドは、本来の業種や市場に留まらずに、類似業種や異業種、海外市場に進出する。

    世界の企業ブランドの価値ランキング

    世界最大のブランドコンサルティング会社Interbrandが2016年のグローバル企業のブランド価値ランキングを発表し、Appleが首位を獲得しました。同ランキングでAppleがトップになるのは4年連続です

    bestbrand_ranking
    [出典:Interbrand] http://interbrand.com/best-brands/best-global-brands/2016/ranking/

    Appleに続いて、2位にGoogle、3位にCoca-Cola、4位にMicrosoftがランクインしています。上位4位は去年と同じ順位になり、Coca-Cola以外はテクノロジー企業がトップを占有した形になりました。日本企業では、昨年6位だったトヨタがランクアップし、アジアブランド初のトップ5入りを果たしました。他にも21位にホンダ(前19位)、42位にキヤノン(前40位)がランクインするなど健闘している模様です。

    まとめ

    企業から「ブランド価値を上げたい」というご依頼をよく受けます。しかし、それはとても難しい課題なのです。実際には、予算があれば、広告宣伝投下量を増やしたり、インパクトのあるCMに打つことも可能です。しかし、これでは短期的な売上増加効果はあっても、長期的なブランド力の向上には繋がりません。ブランド価値を上げるためには基礎体力を付け代謝を上げることが一番の近道なのです。

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    [ ブランディング開発論/手法 ]

    企業のブランド戦略とは(手法と展開事例)

    企業におけるブランド戦略の意味とは、商品やサービスを消費者に深く理解浸透させることで、企業力や商品力を向上させるためのブランディングの手法の1つです。多くの人々が共通のブランドイメージを持っている場合は、決して偶然からではありません。それは、企業がさまざまなブランド戦略を行っているからなのです。現在、多くの企業が自社のブランド力を高める必要があると感じています。では、その為には具体的にどのようなブランド戦略を行えば良いでしょうか。そもそもブランド戦略とは一体何なのでしょうか?

    ==================================================

    企業にとってのブランド戦略とは何か?

    ブランド戦略という言葉を聞いた事があるのではないでしょうか。では、ブランド戦略とは何なのでしょうか?そして具体的に何をする事なのでしょうか?ブランド戦略とは、ブランドを強化し、競合他社との差別化を明確にすることで企業や商品、サービスなどにおいて付加価値をつける戦略のことです。ブランディングの開発要素としては、ブランド名称やロゴ、WEBなど幅広くあります。これらのブランド要素を正しく伝えることで、ブランドの認知や理解浸透ができるのです。

    企業のブランド戦略の位置づけ

    1

    企業のブランド戦略とは、競合するブランドとの差別化を測るためにブランド要素を整理し一貫したブランドイメージを構築し、正しく発信するための活動です。その際のブランド戦略の位置付けやプロセスは図の通りで、ブランド戦略は「事業戦略」と「マーケティング戦略」を繋げる重要なものです。(企業によってはコーポレートブランドと製品ブランドが同一の場合もあります。)

    【 ブランドを認知・理解浸透させるための手法 】

    ① インナーブランディング(内部向けに実施する)
    ② アウターブランディング(外部向けに実施する)

    インナーブランディングとは、企業が自らのブランドを社内(社員)に浸透させるための啓蒙活動です。アウターブランディングとは、一般的にいうところの顧客向けのマーケティングです。

    企業のブランド戦略はブランド価値の最大化

    brand_promise

    商品やサービスの購入者は、売り手が提自社の商品やサービスを通して、お客様のどんな期待に応える価値を提供するのかを明確にし、それをさらに磨き、正しく伝えることで、その価値を必要とする真のファンを増やし続けることにあるのです。提供する商品、サービスを通して、何らかの価値を手に入れます。一方、買い手は売り手に対して、お金を通して、信頼・信用という価値を支払います。それは B to B でも B to C においても同じです。売り手側が提供する価値を買い手側が大きいと感じれば感じるほど、高い価格で取引されます。この二者間の価値交換は第三者の意見を参考にすることはあっても、あくまで買い手と売り手のニ者間の納得のもとに成立します。ブランド戦略の目的は自社の商品やサービスを通して、お客様のどんな期待に応える価値を提供するのかを明確にし、それをさらに磨き、正しく伝えることで、その価値を必要とする真のファンを増やし続けることにあるのです。

    【 ブランドの商品やサービスを購入する動機 】

    ① 抱えている問題を解決したいという(問題解決の動機)
    ② 幸せになりたい豊かになりたいという(幸福のための動機)

    レストランを例えると、おなかがすいたので食事をしたいというのが前者です。もっと美味しい何かを食べたい、居心地のいい空間で幸せなひと時を過ごしたいというのが後者です。旅行で例えるなら、出張にいくのでどうしても移動しなければならないというのが前者で、美しい自然の中に旅行をして幸せな気分になりたいというのが後者です。

    企業のブランド戦略はブランド価値の創出から

    brand_value

    他社とは違う商品・サービスの本当の価値は、ブランドの強みから生み出されるものです。ブランド戦略はこの「価値」というキーワードと切り離すことはできません。この「価値」は、まず基本価値と付加価値に分類されますが、ブランド作りで重要なのは付加価値です。また付加価値は「機能的価値」と「情緒的価値」に分類されます。ここで重要なのは、商品の性能に大きな差はなくても、「情緒的価値」を高めることで、ブランドの価値を高めることは可能であるということです。一方で、基本価値はその商品及びサービスであれば当然保有していてしかるべき価値であり、通常は差別化にはつながりにくい場合がほとんどです。

    企業のブランド戦略は社内外への理解浸透が目的

    brand_identity

    ブランド・アイデンティティ(BI)をWEB、広告等によるプロモーションやマーケティング活動を通じて、その価値を必要とする顧客との接点をつくります。その際に特に重要となるのが「デザイン」の力です。「デザイン」には、そのブランド価値の本質を瞬時に伝える力があります。求めていた価値を受け取った顧客は、満足・感動しファンとなり、さらには口コミを起こします。また、ブランド・バリューの浸透はお客様や取引先だけを対象とした「外向き」の方向だけでなく、社内に向けての「内向き」の方向にも必要です。なぜなら、お客様にブランドを浸透させる大きな役割を担うのが社員だからです。社員が自社のブランドに誇りを持ち、ブランドにふさわしい行動をとっていなければ、顧客にブランドの価値は浸透しないのです。対社内向けのブランド浸透(インナーブランディング)を社内の組織づくりの一環ととらえて、継続的にかつ社員が自発的に行える仕組みづくりが必要なのです。

    企業のブランド戦略立案の手法とプロセス

    ① ヒアリング

    現状のブランドにおける課題や問題点をしっかりとヒアリング。同時に様々なケーススタディやアイデアを出し、担当者と共に検討する。

    ② 現状の調査分析

    「既存資料/過去データの分析」「リサーチやグループインタビューによる市場調査」「社内キーマンへのインタビュー調査」などを経て現状を客観視する。

    課題と問題の抽出

    お客様からのヒアリング内容と調査分析の結果から、現状の課題を明確する。解決するべき問題点と伸ばすべき強みを把握しブランド戦略立案のための材料にする。

    ④ ブランド戦略立案

    競合企業(ブランド)に勝つために自社ブランドの強みを活かし、消費者にとって価値あるものを提供するためのブランド戦略を策定し最適な方向性を提示する。

    企業のブランド戦略における展開事例

    【 コカコーラのワンブランド戦略 】

    coke
    [出典:コカ・コーラ] 新グローバルキャンペーン「Taste the Feeling」をスタート

    「コカ・コーラ」ブランドは2016年1月から世界一斉に新しいマーケティング戦略を立ち上げ、「Taste the Feeling」を新たなタグラインに掲げたコミュニケーションキャンペーンを行う。グローバルキャンペーンは2009年開始の「Open Happiness」(ハッピーをあけよう。)から7年ぶりの刷新となる。「Taste the Feeling」のキービジュアル。これは、ザ ・コカ・コーラカンパニーの最高マーケティング責任者マルコス・デ・クイント氏が、グローバルマーケティング戦略「ワンブランド」戦略を発表したことによるもの。「ワンブランド」戦略とは、コカ・コーラ社創業以来初めて、「コカ・コーラ」、「コカ・コーラ ゼロ」、「コカ・コーラ ライフ」、「コカ・コーラ ライト」/「ダイエット コカ・コーラ」を「コカ・コーラ」の下に統合し、世界で共通した1つのクリエイティブキャンペーンを展開するもので、2016年1月を皮切りに世界200以上の国や地域で実施が予定されています。これを受け、日本では、「Taste the Feeling」に“味わおう、はじけるおいしさを。”というコピーを添えて、わかりやすく訴求。「Taste the Feeling」のクリエイティブキャンペーンは、どの「コカ・コーラ」製品でも得られる、それを飲む純粋な喜びが特別なひとときをもたらす、というイメージを訴求するもの。「コカ・コーラ」が持つブランド価値の原点に立ち返り、製品を中心に据えて、手にした瞬間を捉えるものとなる。また、全クリエイティブに必ず白のスペンサーロゴと赤いディスクロゴが必ず登場する。加えて日本では、グローバルキャンペーンのコンセプトに沿って独自に「はじめてのコークの味、覚えてる?」を展開。著名人によるビジュアル展開やTwitterプロモーション、スーパーマーケットでの大規模サンプリングなど多角的なアプローチを行う。

    【 JTのブランド戦略 】

    jt
    [出典:JT] ブランドポートフォリオに基づき世界共通の戦略を展開

    ① グローバルとローカルの両立

    現代では、あらゆる人や情報が世界中を自由に往来します。グローバル化が進み、価値観が同質化してきているとも言われています。しかし、たばこは嗜好品であり、実用品以上に、それぞれ国や地域の歴史・文化に因る「好み」の影響を受けます。ある場所で人気のブランドが、他の場所でもそのまま同じように支持されるとは限りません。また、国や地域でそれぞれ異なる経済や景気という市場特性、税制や規制にも左右されます。世界市場でたばこビジネスを展開し、各国・各地域のマーケットでトップシェアを獲得するには、それぞれの好みや市場特性を理解し、且つ将来の変化を考慮しつつ、グローバルレベルでのブランドの世界観維持とローカルレベルでのカスタマイズの両方を実現するブランド戦略が必要です。

    ② ブランドポートフォリオの最適化

    JTでは、ポートフォリオを基にしたブランド戦略を推進しています。共通のポートフォリオによってカテゴライズ・管理されたブランドは、一貫した戦略のもと、世界中で共通の「品質」「味わい」「パッケージや広告などのビジュアルイメージ」「価格帯」などで展開されており、これにより、「Global Consistency(一貫性)」が維持され、ブランドの世界観やイメージが統一されます。その上でJTでは、各地域のお客さまの嗜好を考慮し、パッケージデザイン・形態などを細かく「Fine Tuning(=ローカライズ)」することで、あらゆるお客様に満足いただけるような商品を提供しています。国・地域の市場特性を見極め、経営資源の選択と集中、リスクヘッジとリスクの分散、クロスボーダーM&Aによる新しいブランド獲得などを行うことで、ポートフォリオの最適化が常に図られます。

    まとめ

    時代が変化し、メディアもターゲットのライフスタイルも変わってきました。そんな中でターゲットの若返りをうたっている企業も多く見られます。しかし、そういった企業の多くは、若い人が好む雑誌に広告を出したり、Facebookに公式アカウントを作る程度の表面的なアプローチにとどまっています。本当の意味で興味や関心を持ってくれるようなコンテンツを世に出すことは、大変なことなのです。しかし、ターゲットにメッセージを届け、評判を獲得したいのであれば時にはブランド戦略の見直しも必要なのです。

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    [ ブランディング開発論/手法 ]

    インナーブランディングとは(手法と事例)

    インナーブランディングという言葉をご存じでしょうか?インナーブランディングとは、企業がブランドの理念やビジョン、ブランドの価値を社内(社員)に理解浸透させるために行う啓蒙活動のことです。社内(社員)でブランドの価値観を共有し、社員の意識や行動、言動やサービスをブランドの方向性と合致させることが目的なのです。インナーブランディングにおけるブランドの価値とは、主に企業理念やビジョンなどの形のない概念のことを指します。いわゆる一般的な顧客向けのアウターブランディングだけでは社員の質を高めることはできません。企業のブランディングを成功させるためには、外向けのブランド構築だけではなく、社内向けのインナーブランディングが不可欠なのです。近年ではインナーブランディングを重要視する企業が増えてきています。

    ==================================================

    インナーブランディングとは何か?

    inner-outer-branding

    ブランディングといえば、顧客に対して行う「アウターブランディング」が主流です。インナーブランディングとは、アウターブランディングとは異なり、企業が社内(社員)に対してブランドの価値や企業理念、ビジョンを理解させるための啓蒙活動です。企業が成長するためには、アウターブランディングと合わせてインナーブランディングも同時にを行うことが効果的です。インナーブランディングを通して、社員一人一人の意識が変われば、仕事に対する取り組み方や考え方も変わります。長期的に見れば、結果として製品やサービスの品質向上、社員の業務効率向上などに大きな効果を発揮します。

    インナーブランディングの目的と必要性

    インナーブランディングの目的とは何か?なぜ必要なのか?それは、社員の行動や対応が企業のブランドイメージに大きく影響するからです。接客においては社員の行動や対応が直接ブランドのイメージとなるので、アウターブランディングだけでなく、インナーブランディングも行わなければブランディングは成功しません。社員がブランドに対しての理解と愛着がなければ、お客様にも心からお薦めすることはできませんし、お客様もそのことを敏感に感じ取ります。インナーブランディングによって社員が自社ブランドの企業理念を正しく理解し、愛着を持てば接客態度にも自然と現れます。

    【 社員のブランド理解と満足度の向上 】

    社員の満足度が高まれば、行動や言動のひとつひとつが企業のブランディングに大きな影響を与えていきます。そのため、社員が働きやすい会社作りをすることが必要です。ブランディングに力を入れてもなかなか結果に結びつかない場合には、内側からの改革に目を向ける必要があります。その方法として、正当な評価や報酬、より良い労働環境、福利厚生や教育研修を充実させることが重要です。それらを通して企業ブランドの知名度を上げていく努力が必要になります。「自社のブランドに愛着を持てるような社員を育成すること」これがインナーブランディング最大の目的です。これらがうまく循環すると、商品やサービスを受け取る「顧客の価値や満足度」を高めることにも繋がります。

    【インナーブランディングに期待できる効果 】

    • 社員自身の満足度の向上と愛社精神
    • 社員の顧客志向の向上
    • 社員によるブランド価値の社外発信
    • 仕事への誇りとモチベーションの向上
    • 若手社員・中途採用社員の離職率低減
    • 顧客満足度の向上
    • 業務の効率と質の向上
    • 顧客視点の新製品・サービス開発
    • 目指す姿の一元化による一体感の醸成
    • 合併・統合企業での社員意識の一元化
    • 経営方針の社内浸透と業務活動での実践 

     ただし、インナーブランディング活動が企業の上層部からの一方的な考えの押しつけになったり、単なるスローガンにならないことが大切です。

    企業ブランドを社内に浸透させる手法

    インナーブランディングを進めていく上で悩む問題が、企業ブランドとして定義した企業理念やビジョンを社内(社員)に浸透させていく手法です。せっかく作ったブランドも浸透しなければ、何の意味もありません。ブランドを社内(社員)に浸透させるためには下記のような方法とプロセスがあります。

    【インナーブランディングに必要な開発項目 】

    • 社員のモチベーション調査(アンケートを実施)
    • 企業のブランド分析(企業理念・ビジョンなど)
    • 企業理念体系再開発(ブランドプラットフォームなど)
    • クレド制作(行動指針をまとめたハンドブック)
    • ブランドブック制作(ブランドを分かり易くまとめた冊子)
    • ブランドムービー制作(ブランドを分かり易くまとめた動画)
    • 社内向けサイト制作(様々な情報を共有するためのサイト)
    • 社内啓蒙ポスター制作(ブランドを身近に感じてもらう目的)
    • 社内ワークショップ(社員が考えを深めるための場づくり)

    インナーブランディングにおける成功事例

    【スターバックスの成功事例 】

    starbucks

    「 顧客満足より従業員満足 」

    スターバックスは広告に費用をかけないことで有名ですが、ブランドイメージが高いコーヒーチェーン店として成功しています。広告費をかけるかわりに、人材育成に費用と時間をかけ、接客の質を高めています。スターバックスは研修制度が充実していますが、自主性を重んじるためにマニュアルを作成しておらず、社員がそれぞれ「お客様のために満足している接客」を考えることで、満足度の高いサービスを実現しています。その根幹となるのが、「社員が満足していない会社ではお客様を満足させることはできない」という考えで、スターバックスでは顧客満足度よりも社員満足度を重視しています。スターバックスの「社員満足度の先に顧客満足度がある」という考え方は、インナーブランディングのよい例です。スターバックスが広告費をかけずにブランディングに成功しているのは、社員の行動や対応のひとつひとつがブランディングとなっているからです。お客様に心地よい接客体験をしてもらうことで、また来たいと思えるお店を作り上げています。
    (参考サイト:元スターバックスCEOが語る「顧客満足より従業員満足」)

    【ディズニーリゾートの成功事例 】

    disney

    「 キャストがつくる夢の国 」

    ディズニーリゾート(ディズニーランド、ディズニーシー)もインナーブランディングを徹底して行っています。テーマパークとしての質の高さだけでなく、キャストの接客・対応の素晴らしさには感動を覚えます。徹底した接客ルールを設け、「夢の国」というイメージを壊さないようにしています。感動を与えているのはテーマパークそのものではなく、そこで働くキャストのみなさんです。スタッフや社員ではなく、あえて「キャスト」と呼称しています。実はディズニーリゾートでは、スタッフのことを「キャスト(役者)」、お客様のことを「ゲスト」と呼んでいます。ディズニーリゾートというひとつのステージに参加するお客様は「ゲスト」、ゲストをお出迎えし裏舞台からパークを支えるスタッフは「キャスト」と呼び、「キャスト」は「ゲスト」に夢の国の魔法をかける重要な役を担っています。ディズニーリゾート自体はただのステージで、「キャスト」がいてこそ夢の国になるのです。「夢の国」というイメージをブランドと置き換えるなら、「キャスト」にインナーブランディングをしっかり行うことで、お客様に「また来たい」と思える感動体験の提供を実現しています。
    (参考サイト:東京ディズニーリゾート キャスティングセンター)

    まとめ

    顧客に対して行うアウターブランディングも大切ですが、社内(社員)に対して行うインナーブランディングもとても重要です。社員が企業の理念やビジョン、そしてブランドの価値についてあまり知らなかったり、自社の待遇に対して不満を抱いたりしているままでは、顧客に対して質の高いサービスを行うことはできません。そのためには、社員一人一人に企業ブランドを理解浸透させ日々の業務や行動において意識させることが大切です。インナーブランディングを成功させることは、決して簡単ではありません。しかし、成功すれば会社にとって大きな効果をもたらすのです。

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    [ ブランディング開発論/手法 ]

    ロゴガイドラインの目的と必要性

    ブランドの顔でもあるブランドロゴをデザインする際に、ロゴガイドラインも同時に必要だということをご存知でしょうか?知らない方はロゴが完成した時点で満足していませんか?もしかすれば「ロゴガイドライン」という言葉を初めて耳にした方もいらっしゃるかも知れません。もし、まだブランドロゴをデザインする前なら、遅くはありません。ロゴガイドラインは、単にロゴマークのことだけでなく、企業や商品のブランディングを考える上で、なくてはならないものなのです。ロゴガイドラインとは、その名の通り「ロゴマークのガイドライン」を表すもので、ブランドガイドラインと呼ぶこともあります。ブランドロゴに大切なのは「標準化」です。ブランドロゴを使用するのが一人なら、標準化はさほど難しくはないでしょう。しかし、たくさんの人がブランドロゴを扱うなら、決まり事を作っておく必要があります。その決まり事をまとめたものが「ロゴガイドライン」なのです。

    ==================================================

    ロゴガイドラインの目的とは

    ブランドロゴのカラーや最小サイズ、使用時の組み合わせや使用可能ロゴ、アイソレーションエリアなどが細かく指定されているもの。有名企業をはじめ、ブランディングに力を入れている企業のほとんどが、何らかのロゴガイドラインを有しています。ちなみに、ブランドロゴやその他のデザインに統一感を持たせることで、社会全体に企業のイメージを発信とする企業政策のことをCI(コーポレートアイデンティティ)と言います。その中で、ブランドロゴを含めた、全体のデザイン体系を統一し、ブランディングを図る動きをVI(ビジュアルアイデンティティ)と言います。つまり、VIはCIの中でもデザインに関する部分を表し、さらにロゴガイドラインは、VIの中でも、ブランドロゴの使用に関する部分の取り決めをロゴガイドラインと言います。

    ロゴガイドラインに必要な開発項目

    guideline-sample

    下記では、弊社のロゴガイドラインを例にご説明させていただきます。

    • ブランドロゴの種類
    • ブランドカラー
    • 最小使用サイズ
    • アイソレーションエリア
    • カラー適応
    • 表示色と背景色の関係
    • イメージ背景に対する表示
    • 使用禁止例

    ① ブランドロゴ

    guideline-brandlogo

    ブランドロゴは、コミュニケーションにおいて最も重要な視覚的要素です。これらのブランドロゴを正しく使用していくことでブランドのイメージを正確に伝えることができます。ブランドロゴを表示する場合は、再現用データを使用し、正確に表示することが原則です。

    【 ブランドロゴの必要性と意味 】

    ブランドロゴは、単なるデザインだけではなくブランドの顔であり世界観を決定づける重要ものです。ロゴのレギュレーションを設定し一貫性を保つことで、ブランドのメッセージ、考え方、ビジュアルなどブランド全体の表現が統一され正しくコミュニケーションを図ることができます。

    ② ブランドカラー

    guideline-brandcolor

    ブランドカラーは視覚的統一性を図る上で重要な役割を果たします。ブランドの独自性を際立たせるために設定されている色がブランドカラーです。ブランドは、視覚的に統一されることで認知度を高めます。常に規定の色を正確に表示することが重要です。

    【 プロセス・特色・RGBカラー設定 】

    表示される媒体によって表示されるブランドカラーの色味は変わります。CMYKカラー(プロセス)で表示される場合、RGBカラーで表示される場合、PANTONEカラー(特色)で表示される場合や、モノクロで表示される場合を考えて、いくつかのパターンを設定する必要があります。ブラウン管や液晶画面を通して表示されるものはRGBカラーで設定し(WEBやPPTなど)、印刷物を通して表示されるものはCMYKカラー/PANTONEカラーで設定し、新聞や雑誌などモノクロ印刷される場合はモノクロカラーの色設定をあらかじめ用意する必要があります。

    ③ 最小使用サイズ

    guideline-logosize

    ブランドロゴを表示する場合においての再現可能な最小サイズです。印刷物における最小使用サイズです。これ以下のサイズでは使用できません。印刷物以外の場合は、条件が異なるため特別に定めていませんが、個々の適用物に応じた再生可能な限界を、それぞれの最小使用サイズとします。

    【 ロゴを最適に表示させるためのサイズ規定 】

    印刷物などでブランドロゴを使用し表示する場合、最小サイズ以下のサイズ表示をすると、細部がつぶれ、再現性や美しさを欠く恐れがあるので、必ず最小使用サイズを守ってください。最小使用サイズを守っていても対象物の条件等によっては臨機応変な対応が必要です。

    ④ アイソレーションエリア

    guideline-isolation-area

    ブランドロゴが他の表示要素に紛れたり、印象を損なわないために設けたエリアです。アイソレーションエリアとは、ブランド要素を常に正しく認識できるように、周囲に一定の余白を確保し、そのスペース内に他の図形等の要素が入らないように規定したものです。アイソレーションエリアに個性の強い図形や文字等を配置してしまうとブランドロゴの独自性や象徴性、機能性が弱められ、結果として望ましいイメージを伝達することができません。アイソレーションエリアの範囲外であってもブランドロゴの近辺には、個性の強い図形や文字等を配置することはできる限り避けてください。

    【 ロゴ周辺の余白を設けた保護エリア 】

    アイソレーションエリアとは、ロゴ周りに使う“余白”のことです。表示する際にはロゴ周辺に一定のアイソレーション(保護エリア)を設け、アイソレーションエリア内には他のデザイン要素や文字などをのせることができないルールになっています。ロゴのサイズを1とすると、0.5の大きさを最低限のアイソレーションゾーンとして指定されている事が多いです。アイソレーションをつくることで、ロゴ表示に独立性を持たせることが重要です。

    ⑤ カラー適応

    guideline-brandcolor-1

    ブランドロゴのカラー表示には、ガイドラインで示されたような基準が設けられています。ブランドロゴの表示はブランドカラーであるのが基本です。そして、さらにモノクロ表示とソリッド表示が設定されています。ブランドカラー以外の色については、媒体の特性上、幅広い表現効果を期待する場合、もしくは印刷時のさまざまな制約、および制作コストの制限からブランドカラーの使用が不可能な場合に使用できます。

    【 ブランドロゴ表示の種類 】

    ブランドロゴ自体はブラックまたはホワイトでの表示に限られます。しかし、カラーの背景や画像、イラストにロゴをのせることは可能です。複雑な背景にブランドロゴを入れる場合、ロゴ全体がはっきりと読めるように常に留意してください。

    ⑥ 表示色と背景色の関係

    guideline-brandcolor-2

    背景色に対し、ブランドロゴをどのように表示するべきかを示しています。ブランドロゴを表示する際は、コントラストの得られない表示を避け、チャートを参考にして常に明瞭に表示してください。表示色と背景色の関係は、紙質やインク濃度の違いなどによって異なりますので、チャートの%は目安としてください。

    【 背景色とブランドロゴの視認性 】

    カラーやモノクロの背景において彩度や明度の違う条件でブランドロゴを表示しないといけない場合があります。表示される媒体によって対応できるカラーパターンを設定しておくと、ブランドイメージを壊すことなく幅広い対応ができ便利です。ロゴ全体がはっきりと読めるように、最低限の使用ルールを決めておきましょう。

    ⑦ イメージ背景に対する表示

    guideline-buckground

    イメージ背景に対するブランドロゴの見え方を示しています。展開にあたっては下記を参考に、背景に対してブランドロゴがきちんと認識できることを確認し、適切な表示を行ってください。

    【 背景の条件による視認性の確保 】

    カラーの写真やイラストなど、複雑な背景の上にロゴを掲載しないといけない場合があります。掲載される媒体によって対応できるカラーパターンを設定しておくと、ブランドイメージを壊すことなく幅広い対応ができて便利です。ロゴ全体がはっきりと読めるように、最低限の使用ルールを決めておきましょう。

    ⑧ 使用禁止例

    guideline-brandlogo-ng

    ブランド ロゴを正しく表示するための使用禁止例を示しています。形状を変えたり、クリアスペースを守らず表示を おこなうこと によって、chibico のブランドイメージが低下するばかりでなく、 顧客や社会に対するコミュニケーションのロスが生じてしまい ます。このようなことがないようブランドロゴを正しい形で 使用してください。

    【 ブランドロゴを正しく表示するための禁止例 】

    ブランドロゴは、レギュレーションに添った設定で使用されることで、はじめて本来の機能を発揮しブランドのイメージを正しく伝えることができます。ブランドロゴはブランドのイメージを象徴する、いわば顔のようなものなので、扱いには十分な注意が必要です。誤った使用を避けてもらうためにも、使用禁止例をレギュレーションとして記載しておく必要があります。

    ロゴガイドラインの展開事例

    ロゴガイドラインを掲げている企業のほとんどは、ブランディングがしっかりしており、ロゴマークを見てひと目で「あのブランドだ」と認識できるところが多いです。逆に言えば、ロゴガイドラインを敷き、ロゴマークを大切にしているからこそ、人々に認知されているといえるのかもしれません。企業やブランドの中には、ロゴガイドラインを公開しているところもあります。ここでは、その一部をご紹介させていただきます。

    ① LINEロゴガイドライン事例

    line-logo-guideline
    (画像引用元:LINEロゴ利用ガイドライン

    日本国内だけで5,000万人以上のユーザーを抱えるLINE。大人から子どもまで、幅広い年代に利用されているこのメッセージアプリのロゴマークは、社名が入ったとてもわかりやすいデザインです。LINEでは「LINEロゴ利用ガイドライン」として、ロゴマーク使用の際の注意や権利などについてまとめています。

    ② YouTubeロゴガイドライン事例

    youtube-logo-guideline
    (画像引用元:YouTube ロゴの使用

    動画サイト最大手のYouTubeでも、ロゴガイドラインが定められています。YouTubeのロゴガイドライン上では、間違った使用例なども挙げられています。改変されてしまうと、どうしても企業のイメージが変わってしまうので、使用時の改変については、しっかり記しておく必要があります。

    ③ PIXTAロゴガイドライン事例

    pixta-logo-guideline
    (画像引用元:PIXTAロゴの使用

    PIXTAは、インターネット上で写真・イラスト・動画等のデジタル素材の仕入から販売までを行うオンラインマーケットプレイス。こちらのロゴガイドラインは、サービス名、ロゴタイプ等の使用ルールがメインに構成されています。ロゴ使用ルールに定める範囲内で、ロゴガイドラインを遵守する場合に限り、別途当社から許諾を得ることなく、PIXTAロゴを無償で使用することができるのが特徴です。

    ④ 慶應義塾ロゴガイドライン事例

    keio-guideline
    (画像引用元:慶應義塾ロゴの使用

    慶應義塾の3つのシンボルには「ペンマーク」「エンブレム」「三色旗」の3種類があります。2005年6月には慶應義塾の視覚表現=VI(ビジュアルアイデンティティ)も整備されており、また、2015年8月、日本国内にとどまらず、グローバルに慶應義塾のブランド価値をさらに高めていくため、ガイドラインを一部改定されています。

    まとめ

    ロゴガイドラインの詳しい内容や項目、公開している企業の事例等をご紹介しましたが、いずれもロゴマークを企業のシンボルとして、大切に使用していることがわかります。このようにロゴマークはブランディングの一環として、とても大切なのです。ロゴガイドラインをきちんと作成し、ロゴマークを正しく、そして広く認知してもらうことが重要なのです。

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