3月 | 2017 | ブランディングデザインの会社チビコのサイトです

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    [ ブランディング開発論/手法 ]

    ブランドブックに必要な役割と目的とは?

    ブランドブックとは、ブランドのコンセプトやビジョンを社内(社員)に理解・浸透させることを目的として制作し配布する小冊子のことです。社内ポスターや社員向けブランド研修と共にインナーブランディング活動においてとても重要な役割を果たすアイテムなのです。今回は、このブランドブックに必要な役割と目的について書かせていただきます。

    ==================================================

    ブランドブックの目的と役割の変化

    ブランドブックとは、社員(社内)に向けてブランドのコンセプトやビジョンを正しく理解させ浸透させることが主な目的と役割でした。しかし、インナーブランディング活動が社員の意識や啓蒙だけを目的とした活動から、日常業務の中でのブランド価値向上への貢献活動へと進化して行きました。そのため単なる理解・浸透のためだけのツールの役割から、業務活動のためのツールへと目的が変化しています。

    ブランドブックに必要な構成要素

    ブランドブックに必要な基本的な構成内容は、ブランドが提供するブランド価値を定義する「ビジョン」「ミッション」「バリュー」や「ブランドコンセプト」「ブランドメッセージ」と、ブランドのデザイン要素である「シンボル」や「ロゴ」のデザインに込められた意味などが中心です。しかし最近では、インナーブランディング活動の目的の拡大によって、必要なコンテンツもブランドの価値を実現するための各部署や社員自身がどんな目標を持ち、どう行動すべきかを示す行動指針やクレド的な要素が強く求められるようになってきています。

    1. ビジョン(志・夢・目的)
    2. ミッション(志・夢・目的の実現に向けて実施すべき事)
    3. バリュー(お客様に提供する機能的・情緒的価値)
    4. ブランドコンセプト(ブランドの考え方)
    5. ブランドメッセージ(ブランドが発信する言葉)
    6. シンボルやロゴデザインの意味

     nike 

    (出典:Halloween)

    ブランドブックの浸透に必要な講習会・研修・ワークショップ

    「わかりやすいブランドブックを作ったから、読んでくれるに違いない」と思いがちですが、そんなに甘くありません。例えば、「活字離れ」は企業の中でも相当深刻な問題です。ただ配布しただけでは「イラストや写真、図の部分位は、ざっと目を通してくれた」程度に考えるべきです。そこで必要になってくるのがブランド浸透のための社内での講習会や研修・ワークショップの開催です。企業の中で実施するとすれば、人事部などが主催する研修が思い浮かぶと思います。しかし、それ以外にもブランドのワークショップの機会は、いろいろな形で実現できます。実施しやすいブランド講習の形式は企業ごとの形態で異なります。本社や工場などの多くの人がまとまって働く職場でしたら、定期的に全員を集めた会議や朝礼の様な機会を利用することが可能です。しかし、支店や出張所など遠隔地で人数も少ない職場だと、ブランド担当者がすべての拠点に出向いて説明するわけにも行かないと思います。その様な場合には、ブランドブックの内容をかみ砕いた解説用の簡易版を定期的に発行するとか、社内のイントラサイトなどに掲載するなどの工夫が必要になります。

    brandbook_system

    ブランドブック制作に必要なポイント

    ブランドブック制作ポイント① シンプルな構成や表現にする

    ブランド体系を複雑な図で説明するもの、似たような語句が大量に並ぶものなど、読み手が考え込んでしまうようなブランドブックも多く存在します。もちろん、企業のブランディング活動は多岐に渡り、多様なステークホルダーがいる中では、最大公約数的なまとめ方になりがちで、結果的に複雑かつ難解な内容になってしまう場合もあります。しかし、ブランドブックは、制作者の自己満足のために作るものではなく、社員が理解・共感し行動につなげるためのきっかけを提供するものとして制作しなければなりません。そして、その先にいる顧客やステークホルダーに、自社のブランド価値を高めてもらうことが目的です。シンプルなメッセージでなければ、ブランドを伝える社員が、そのメッセージをうまく伝えることはできません。「伝える」ことが目的のツールであることを強く意識しなければ、効果的なブランドブックではありません。

    ブランドブック制作ポイント② 単なるルールブックにしない

    ブランドブックの冒頭に「ブランドは顧客やステークホルダーとの約束である」という説明を見ることが多い。しかし、ブランドとは受け手の心の中にできるものであり、企業とステークホルダーとのコミュニケーションによって醸成されるものです。もちろん、いいコミュニケーションを行うためにも、企業側、そしてそれを実行に移す社員がステークホルダーに約束をするという考え方は有効です。しかし、注意しなければいけないことは、社員に「面倒な規則が増えた」と感じさせてしまうことです。ブランドブックを手にした時、「このような姿になりたい」と思わせることができるか、「また、規則が増えた」と思われるか。この差は、非常に大きいのです。約束を“覚える”ことが目的ではなく、約束を“実践する”ことが目的なのです

    ブランドブック制作ポイント③ 横文字(カタカナ)だらけにしない

    スローガンやビジョンなどの様々なメッセージを発信する際に、英語やカタカナを始めとする横文字を利用することが多くあります。もちろん、外資系の企業に見られるように社内での公用語が英語である場合、グローバルに向けた共通のメッセージを使う必要がある場合もあるでしょう。しかし、そのような必要がない場合に、カタカナやアルファベットを乱用することは、受け手の理解を妨げることにもつながります。見栄えがよくカッコ良いなどの理由で、安易に外国語のメッセージを使うケースも少なくありません。重要なのは、その言葉から内容がイメージできることです。社員向けのコミュニケーションの目的は、きれいに見せることだけではなく、理解・共有し行動につなげることなのです。

    まとめ

    ブランドブックの重要な目的と役割は、「ブランドブックの内容を、全ての社員が自分の業務に取り込むこと」です。残念なことに、ブランドブックを制作し配布することが目的化してしまっているケースも多く、このような場合は1ヶ月もすればブランドブックは書類の山に埋もれてしまい読み返されることもありません。社員が企業のブランドを正しく認知・理解し、それを行動に反映させるためには、ただ配布するのではなく講習会やワークショップを同時に開催することも必要です。ブランドブックの役割は、その内容を理解させるところまでです。業務の目的やスタイルが多様である社員の1人1人が、自らの業務にブランドの考え方を反映させるためには、自分で考え、行動し、実感し実践するというプロセスが重要なのです。自社のブランドを知ることは、ブランドを自分の行動や活動に取り込むことなのです。少なくとも、従業員に読まれないブランドブックでは、企業のブランド価値を高めていくことはできません。押し付けるのではなく、共有するという視点を持つことが、成功への第1歩なのです。

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    [ ブランディング開発論/手法 ]

    インナーブランディングに必要なクレドの役割

    企業におけるインナーブランディングとは、インターナルブランディングやインターナルマーケティングとも呼ばれ、社内(社員)に対して企業のブランドコンセプトやビジョン、ミッションを理解・浸透させるための啓蒙活動のことを指します。一方、消費者などに対して自社のブランドを啓蒙する活動をアウターブランディングと呼びます。今回は、社内浸透におけるインナーブランディングの活動にとって必要不可欠なツールであるクレドに関して書かせていただきます。

    ==================================================

    クレドとは何か?

    クレドとは、ラテン語で「志」「信条」「約束」を意味する言葉です。ブランディングにおいては「経営理念」を表わす言葉として定着しています。経営理念は、どの企業にもあるものですが、それを社内・社外に上手く浸透させ、経営の武器として活用している企業は意外と少ないはずです。また、どんなに経営理念が素晴しくても、従業員をはじめステークホルダーである顧客、株主、取引先などに伝わらなければ何の意味もありません。そこで、既存の企業理念の本質をそのままに、自社の存在意義、仕事への誇り、社会に貢献している意識を盛り込み、新しい経営の価値観を形にしたツールが「クレド」なのです。

    インナーブランディングにおけるクレドの必要性とは

    innerbranding_01

    1.  経営理念に基づいた経営をすることができる
    2.  経営者と同じ視点で意思決定できる社員が育成できる
    3.  権限委譲が進み、経営者が現場を離れても動く組織ができる
    4.  ブランドイメージが向上し、他社との競争力がつく
    5.  自社の価値観に共感する、優れた人材が集めることができる
    6.  共通の目的を持つことで、チームワークが良くなる
    7.  顧客志向の組織文化ができ、社風が良くなる
    8.  仕事の目的が明確になり、社員の働き方が向上する

    innerbranding_02

    インナーブランディングにクレドを活用し成功している企業

    ● ザ・リッツ・カールトン 「 ゴールド スタンダード 」

    ritz_credo

     (引用:THE RITZ-CARLTON HPより)

    企業理念「ゴールドスタンダード」

    ゴールドスタンダードは、ザ・リッツ・カールトンホテル カンパニー L.L.Cの根幹を成しています。当ホテルの価値観と理念が結集された「企業理念」であるゴールドスタンダードには次の項目があります。

    クレド

    ザ・リッツ・カールトンはお客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命とこころえています。私たちは、お客様に心あたたまる、くつろいだ、そして洗練された雰囲気を常にお楽しみいただくために最高のパーソナル・サービスと施設を提供することをお約束します。ザ・リッツ・カールトンでお客様が経験されるもの、それは感覚を満たすここちよさ、満ち足りた幸福感そしてお客様が言葉にされない願望やニーズをも先読みしておこたえするサービスの心です。

    モットー

    ザ・リッツ・カールトンホテルカンパニーL.L.C.では「紳士淑女をおもてなしする私たちもまた紳士淑女です」をモットーとしています。この言葉には、すべてのスタッフが常に最高レベルのサービスを提供するという当ホテルの姿勢が表れています。

    サービスの3ステップ

    ❶ あたたかい、心からのごあいさつを。
    ❷ お客様をお名前でお呼びします。一人一人のお客様のニーズを先読みし、おこたえします。
    ❸ 感じのよいお見送りを。さようならのごあいさつは心をこめて。お客様のお名前をそえます。

    サービスバリューズ:私はリッツ・カールトンの一員であることを誇りに思います。

    1. 私は、強い人間関係を築き、生涯のリッツ・カールトン・ゲストを獲得します。
    2. 私は、お客様の願望やニーズには、言葉にされるものも、されないものも、常におこたえします。
    3. 私には、ユニークな、思い出に残る、パーソナルな経験をお客様にもたらすため、エンパワーメントが与えられています。
    4. 私は、「成功への要因」を達成し、ザ・リッツ・カールトン・ミスティークを作るという自分の役割を理解します。
    5. 私は、お客様のザ・リッツ・カールトンでの経験にイノベーション(革新)をもたらし、よりよいものにする機会を常に求めます。
    6. 私は、お客様の問題を自分のものとして受け止め、直ちに解決します。
    7. 私は、お客様や従業員同士のニーズを満たすよう、チームワークとラテラル・サービスを実践する職場環境を築きます。
    8. 私には、絶えず学び、成長する機会があります。
    9. 私は、自分に関係する仕事のプランニングに参画します。
    10. 私は、自分のプロフェッショナルな身だしなみ、言葉づかい、ふるまいに誇りを持ちます。
    11. 私は、お客様、職場の仲間、そして会社の機密情報および資産について、プライバシーとセキュリティを守ります。
    12. 私には、妥協のない清潔さを保ち、安全で事故のない環境を築く責任があります。

    第6のダイヤモンド

    • ミスティーク
    • エモーショナルエンゲージメント
    • 機能的

    従業員への約束

    ザ・リッツ・カールトンではお客様へお約束したサービスを提供する上で、紳士・淑女こそがもっとも大切な資源です。 信頼、誠実、尊敬、高潔、決意を原則とし、私たちは、個人と会社のためになるよう持てる才能を育成し、最大限に伸ばします。 多様性を尊重し、充実した生活を深め、個人のこころざしを実現し、ザ・リッツ・カールトン・ミスティークを高める…ザ・リッツ・カールトンは、このような職場環境をはぐくみます。

    まとめ

    インナーブランディングを成功させるためには、クレドを作っただけで満足してはダメなのです。しっかりと社員全員に理解、浸透させないと何の意味もありません。その取り組みの1つとして、社員全員でクレドの項目で実行できた事、実行できなかった事を共有することも重要です。そのためには、クレドの読み合わせなども効果があります。こうした取り組みをすることで社員1人1人が楽しく前向きに仕事が出来ればインナーブランドは成功なのです。

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    [ ブランディング開発論/手法 ]

    リブランディングが必要な理由とタイミングとは?

    ブランドは、たとえ競合ブランドに模倣されることがなくても、放って置けばいずれは陳腐化してしまいます。機械が劣化するように、人に老化があるように、これはブランドにとっても避けては通れない運命なのです。そして、競合ブランドがあらゆるブランド戦略やマーケティングを仕掛けてくるのも当然のことなのです。それ以上に怖いことは、時代の進歩や消費者の慣れにより、放っておけばやがては飽きられてしまうことなのです。今回は、このブランドの陳腐化と、それを打破するためのリブランディングについて書かせていただきます。

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    リブランディングは現状の問題点を知ることが必要

    リブランディングにおいて最も重要なことは、「なぜリブランディングが必要なのか」原因や理由を徹底的に考えることです。また、ブランドに飽きたり、マンネリを感じるのは、意外なことにユーザーよりも、発信している本人たちだったりするケースも多いのです。誰の心がブランドから離れているのかを見極めることも重要なポイントです。

    リブランディングに必要な3つの「Re」とは

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    ❶ リポジショニング
        ブランドの立ち位置を変えること。

    ❷ リフレッシュ
        ブランドの見え方を変えること。                              

    ❸ リバイタライズ
        インナーとユーザーを活性化させること。

    リブランディングが必要な理由とタイミング

    市場環境の変化

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    【 競合の成長と環境の変化 】
    もともと小さなビジネスだったところに大手企業が参入してくるケースもあれば、全く思いもよらないカテゴリーが突如として競合になる可能性もあります。

    techno

    【 新技術の登場による陳腐化 】
    自動車や家電などテクノロジーをベースにした技術開発における急激な進化。

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    【 新ジャンルの登場による衰退 】
    その商品やブランドというよりは、ジャンル全体が衰退してしまうケースです。例えばワープロやいわゆる携帯電話“ガラケー”のような例。

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    【 時代や価値観の変化 】
    日本では「お金より生きがい」という考え方が広がり続けています。また、若い世代を中心に広がる、物質的なモノは身の周りに必要最低限でよいと考える「ミニマリスト」の考え方。

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    【 社会構造の変化 】
    少子高齢化、ホワイトカラーの失業、グローバル化、現代はこうした大きな変化の中にあります。構造の変化に伴い、人々の価値観も変わっていきます。

    ブランドを劣化させないための努力が必要

    ブランドというものは、外的要因によって「変わらないところ」を持たなければなりません。しかし、それと同時に、常に変化し続ける部分もなければなりません。それを成功させている事例としてよく挙げられるのが、和菓子の「とらや」です。日本でも最古のブランドの1つであり、コアにある「おいしい和菓子を喜んで召し上がっていただく」という基本理念は一切変わっていませんが、ヨーロッパ出店や新業態「TORAYA CAFE」の展開など、常に新しいことに挑戦し、発信し続けている。それが顧客を飽きさせない理由なのです。

    リブランディングのタイミングは好調なうちに

    リブランディングは、ブランドが不調になってから行うものと思われがちですが、望ましいタイミングは「まだ好調なとき」です。売上が落ちてきた、何かテコ入れが必要だ、となる前に、少し先の未来を見据えて新しいものに挑戦する、新しいことを試してみる、ということも、リブランディングの動機として重要な考え方です。こうした、「リブランディングをすることになった理由」をきっかけに、「ブランドの理想像」を考える。その問いへの解答、その実現のための原理原則が、すなわちリブランディングにおけるコンセプトになります。

     

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    [ ブランディング開発論/手法 ]

    企業のブランド戦略の手法と展開事例

    企業がブランディングを成功させる上で最も重要なことは、独自のブランドコンセプトを作り、明確なターゲットを設定し、正確なポジショニングを築くことです。これをブランド戦略と言います。では、具体的に何をすればいいのか? 何からはじめればいいのか?という事になるのですが、難しく考える必要はありません。とてもシンプルなことなのです。企業におけるブランド戦略の手法には大きく3つの要素があり、「コンセプト」「ターゲット」「ポジショニング」で構成されています。これらを正しく設定することでブランド戦略は正しくできるのです。

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    企業のブランド戦略手法① コンセプト

    企業のブランド戦略にはコンセプトが必要です。コンセプトの意味は物事の基本概念のことですが、企業のブランド戦略でいうブランドコンセプトとは、下記の4つになります。

    1. 誰に:どんな人をターゲットにしているのか?
    2. 何を:どんな商品・サービスを提供しているのか?
    3. 何の為に:何にためにそのビジネスをしているのか?
    4. どのように伝えるか:お客さんにどのように理解して欲しいのか?

    今、あなたの手元にあるブランドは、ブランドのコンセプトが正しく伝わった証拠です。つまり、あなたにとってそのブランドを持つ価値がコンセプトによって決められていたことになります。商品やサービスに設定されたコンセプトは、USP(商品やサービスが持つ他社とは違う強み)から作られ、企業自体に設定されたブランドコンセプトは、経営理念や企業理念から作られます。また、あなたにとっての価値とは、金銭や物理的なものばかりではなく、「みんなが使っているから安心して使える」「誰も使っていないから特別感がある」という精神的なものも含まれています。

    企業のブランド戦略手法② ターゲット

    コンセプトにおける「誰に」を設定することがターゲティングです。このターゲットがズレてしまうと、ブランディングは成功しません。そこで、ターゲットにズレが生じないために、ペルソナを用いたターゲティングを行います。ペルソナとは、ブランドの商品やサービスに対する理想の顧客ことです。世の中の人は、性別、年齢、職業、家族環境、生活環境、経済環境などの要素の組み合わせによって、細かく分類されます。商品やサービスを提供した時に、どのような要素を持ち合わせた人であれば一番メリットがあり、喜んでもらえるかを追求した人物像がペルソナです。このペルソナに対しブランディングは行います。

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    企業のブランド戦略手法③ ポジショニング

    企業のブランド戦略にとって、最も重要なのはポジショニングです。商品やサービスを、誰に、どのように提供するかによって、市場のポジショニングが変わります。そして、ポジショニングが変わることで、ブランドも変わります。また、ターゲットとする顧客からのイメージも非常に重要です。顧客から独自性のあるブランドの価値を認めてもらうことができればポジショニングがうまく機能し、競合ブランドとの差別化ができるのです。

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    企業におけるブランド戦略の違いと展開事例

    企業がブランド戦略におけるポジショニングを検討する上で、自社の立ち位置だけでなく、競合ブランドの立ち位置を把握し比較することで自社の独自性を発見することができます。そして独自性を見つけるためには、様々な条件で比較することが必要です。ブランド戦略の展開事例として、マクドナルドとモスバーガーをファーストフードの特徴である「スピード」「価格」と、消費者の意識が高まっている「食の品質管理」という3つの機能的価値を基準に比較してみます。

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    1. スピード

    マクドナルドによる「ENJOY!60秒サービス」
    マクドナルドでは以前に「ENJOY!60秒サービス」というキャンペーンを行っていました。このキャンペーンは、お会計終了から商品お渡しまでを砂時計で計り、60秒を超えてしまった場合にハンバーガー類と交換できる無料券をプレゼントするというものでした。これはマクドナルドのオペレーションの速さがあったからこそ実現できたものといえるでしょう。

    注文を受けてから調理するモスバーガー
    一方モスバーガーでは、注文を受けてから調理をしているため時間がかかります。そのため注文後に番号札を渡され、調理後に店員がお客の席まで商品を渡しにきます。あるテレビ番組の調査によるとモスバーガー1個つくるのに7分6秒かかったそうです。

    2. 価格

    マクドナルドの「おてごろマック」
    2016年に実施されたマクドナルドの「おてごろマック」では3種のハンバーガーを単品200円、サイドメニューとドリンクが付くセットでもワンコインの500円で提供。他にもSサイズのコーヒー、コーラなどのドリンク、ソフトクリームも100円で提供しています。また、電子クーポンをダウンロードできるモバイル会員数が3,500万を突破していることからもお客が安さを求めていることがわかります。

    プレミアム感を打ち出すモスバーガー
    モスバーガーでは最安のハンバーガーを220円、一番高いハンバーガーを580円で提供しています。こちらでもWeb会員向けにクーポンを配布していますが、不定期で更新されています。このようにモスバーガーでは、プレミアム感を打ち出した商品販売やクーポンを不定期に配信するなどマクドナルドの低価格路線とは一線を画しています。

    3. 食の品質管理

    食の問題が相次いだマクドナルド
    マクドナルドでは、2014年の期限切れの鶏肉問題や2015年の異物混入問題で、品質の面で不安に思う消費者もいまだに多いのが現状でしょう。WebサイトのQ&Aでは「トマトの鮮度は、ちゃんと保たれているのですか?」など、飲食店として当たり前に行っているであろう品質管理について、心配している消費者の質問が掲載されています。ブランド戦略を3つの条件で見てきましたが、それぞれポジショニングの縦軸と横軸に当てはめると

    ・マクドナルドは「早くて安い」「早いが質がよくない」「安いが質が良くないので不安」
    ・モスバーガーは「遅くて高い」「遅いが質がいい」「高いが質が良く安心」

    というポジショニングを想定することができ、マクドナルドは安さと早さ、モスバーガーは品質に重きを置いているのがわかります。

    モスバーガーの生野菜は全て国産
    モスバーガーでは、生野菜は全て国産で、お店には産地、生産者が黒板に明記されています。そのため消費者はモスバーガーに対し「安心・安全」だと感じています。また、注文を受けてから調理しているため、作り立てを味わうことができます。

    まとめ

    企業がブランド戦略を考える中で、イメージは重要です。しかし、ブランド戦略におけるイメージとは企業あるいは商品・サービスが目指すものが何であるかをわかりやすく表現したものである必要があります。そのためには、企業が目指すイメージと実際に消費者が持っているイメージとの間にどの程度ギャップがあるかを確認し認識することが重要です。この仮説作業こそがブランド戦略における重要な部分なのです。

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